No.494
2021.11.15
音を身体で感じるユーザーインタフェース
Ontenna(オンテナ)
概要
「Ontenna(オンテナ)」とは、髪の毛や耳たぶ、えり元やそで口などに身に付けて使える、音の特徴を身体で感じるユーザーインタフェース。音を振動と光の強さにリアルタイムに変換することで、ユーザーはリズムやパターン、大きさといった音の特徴を聴覚を用いずに知覚することができる。従来、聴覚にハンデを持つ人々にとってはリアルに感じることが難しかった、スポーツ観戦やライブ鑑賞などの音が重要となる体験も、Ontennaを活用することで会場の臨場感や一体感を感じることが可能。ろう者と健聴者が共に楽しむ未来に向け、さまざまな可能性を秘めるデバイスである。
なぜできるのか?
音源の鳴動パターンをリアルタイムに変換
60〜90 dBの音の鳴動パターンを読み取り、それらを256段階の振動と光の強さに変換。リアルタイムに変換されるため、視覚と合わせて音のリズムや大きさなどを感じることができる。
コントローラーと合わせたさまざまな活用方法
Ontennaは、周りの音を楽しむシンプルモードの他に、別売りのコントローラーを用いたスマートモードが搭載。ボタンを使ってリズムを楽しんだり、スマートフォンやマイクと繋いで音楽・会話などを感じたりといったさまざまな使い方ができる。また、コントローラーを使うことで複数のOntennaの同時制御や、反応する音量と光の調整など、生活環境に合わせたデバイス設定を行うことも可能。
プログラミングやA Iによるカスタマイズ
Ontennaの光の色や振動の強さを、小学生でも利用可能なビジュアルプログラミングツール「Scratch」を使ってプログラミングできる機能を開発。ワークショップを通じて、実際にユーザーにプログラミングしてもらいながら未来の活用可能性を探っている。また、将来的にはAIの導入によって「自分が聴きたい特定の音」にだけOntennaを反応させられるような機能の導入も予定している。
相性のいい産業分野
- アート・エンターテインメント
現場の臨場感を聴覚に頼らず感覚的に楽しめるスポーツ観戦やライブ鑑賞
- 生活・文化
音漏れや騒音を感知し注意してくれるサービス
- 製造業・メーカー
工場などでの危険を異音を感知し、別室で振動と光で警告するシステム
- メディア・コミュニケーション
無音でも臨場感を楽しめるゲームや音声コミュニケーションのサービス
- 教育・人材
プログラミングを通じてろう者への関心を高める授業
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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