No.560
2022.01.19
プラントベースの“植物性”ゆで卵
植物卵(しょくぶつたまご)
概要
「植物卵(しょくぶつたまご)」とは、ゆで卵の形状をした植物性の卵である。近年健康志向の高まりと地球環境への配慮、動物性倫理の視点からプラントベース食品への関心、需要が世界的に高まっている中、日本国内で初となるゆで卵形状の植物性卵となる。「ゆで卵」という味・質感の他、ビジュアルとしても卵らしさの追求が必要となる難易度の高い形状での開発に挑戦しており、動物性食品の代替という概念を超えて、新たな食材として価値と市場を獲得していくことが期待されている。
なぜできるのか?
植物肉の開発技術を応用
植物肉「Green Meat™️」の開発に用いる物理化学特性を解析・再構築するコア技術を横断的に活用し、さまざまな動物性食品を植物で再現。
環境負荷を軽減
卵の畜産は環境負荷が大きく、温室効果ガス排出量は卵1kgあたり4.67kg、土地の使用量は1kgあたり6.27平方メートル、水の消費量は1kgあたり578リットルに相当する環境負荷となる。そのため、植物卵の開発は動物性倫理の視点のほか、地球環境への配慮の視点で需要が高まっている。
動物福祉の観点
2017年の調査によると日本は中国に続き世界2位の卵消費大国だが、2015年の畜産技術協会の採卵鶏の飼養実態アンケート調査報告書によると、養鶏場の鶏舎棟数のうち約92%が、EUでは禁止されているバタリーケージ飼育(ワイヤー製の金網に鶏を入れて、それを重ねて飼育する方式)を行なっている。衛生面や動物福祉の側面からも問題視されており、世界的に植物性卵の開発が求められている。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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