No.603

2022.02.17

細胞治療に貢献する、閉鎖型セルアイソレーションシステム

CGX10(シージーエックステン)

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概要

「CGX10(シージーエックステン)」とは、狙った細胞を高速・高精度で分取する閉鎖型構造のセルアイソレーションシステム。近年、がんや自己免疫疾患などの新たな治療法として細胞免疫治療法が注目されており、細胞を高精度かつ高純度で分取する技術への需要が高まっている。そこで「CGX10」では、ソニーがBlu-rayのピックアップなどで培ってきた高性能・高精度なレーザー技術を応用。血液の中から必要な細胞のみを高純度で分取することを可能にした。これにより、細胞治療における研究のみならず、細胞薬の製造プロセス開発などへの活用が期待されている。

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なぜできるのか?

閉鎖型構造で滅菌状態を維持

開かれた空間で細胞を分取する従来の方法とは異なり、独自開発の閉鎖型構造による滅菌状態での分取が可能。ガス滅菌を施した使い捨て流路と組み合わせることで、必要な細胞をコレクションバッグに、非必要な細胞を廃液バッグに自動で分取できる。

高純度な分取を実現する4レーザー

4つの波長のレーザー(405nm/488nm/561nm/638nm)を組み合わせて細胞に照射し、散乱光などから10個のパラメーターを取得し大量の細胞を分類する。1秒あたり1万5000個の分析処理速度の場合、約97%の高い細胞分取純度を実現する。

細胞にやさしい分取原理

分取原理は液体の制御を適切に行うことで、細胞へのダメージを最小限に抑えるよう設計。細胞の高い生存率を維持し、分取後の培養工程や細胞薬の製造工程の効率化にも貢献する。

分取ごとに流路の交換が可能

検体に触れる流路を消耗品にすることで、患者ごとに使い分けでき検体間の相互混入を防止。セッティングにかかる手間の削減も可能にした。

実験時でも操作しやすいUX

クリーンルームでの作業はキーボードやマウスが使えないことを踏まえ、操作系をタッチパネルに集約。グローブのまま直感的に操作できる。また、使い捨て流路の交換手順も表示でき、交換作業にかかる手間を削減する。

相性のいい産業分野

医療・福祉

高純度で細胞を分取し、糖尿病やリウマチなどの自己免疫疾患の治療に活用

農業・林業・水産業

ヒトだけでなく獣医学や植物病理学にもセルアイソレーションシステムを応用

AI

「医療AI」を組み込み大量の患者データを学習

食品・飲料

細胞から培養される「培養肉」に活用

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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