No.660
2022.03.30
窓を基地局化するガラスアンテナ
WAVEATTOCH(ウェーブアトッチ)
概要
「WAVEATTOCH(ウェーブアトッチ)」は、5G周波数に対応した電波送受信を可能にすることで、窓を基地局(陸上に開設する無線局)化するガラスアンテナ。ガラスアンテナを建物の窓(室内側)表面に貼り付けることで、屋外に向けて電波を発信できることから、窓ガラスによる電波の減衰・反射を抑えながら屋外をサービスエリア化し、5G通信可能エリアを拡げることができる。近年、5G通信エリア拡大に向けた事業は、新たに基地局を作るための場所の確保が難しいことや、景観を損なってしまいアンテナの設置許可を得られないケースが出ていることが課題だった。一方、ウェーブアトッチは窓があれば簡単に設置でき、透明素材を用いるため景観への影響も少ない。将来的には、ネットワーク社会のさらなる拡充に向けた、あらゆる場所での活用が期待されている。
なぜできるのか?
工事の必要がない簡単なアンテナ設置工法
ウェーブアトッチの設置には、既存窓の表面にガラスを貼り付ける独自技術「アトッチ工法」を採用。足場設置や土台工事を必要とせずに室内の窓面に取り付けることができる。また既存窓に貼り付けるため省エネ、防音などの機能も付与できる。
独自技術により電波を遠くまで伝達
ウェーブアトッチは、ガラスに近づくことによってアンテナの性能が変わる影響を抑え、アンテナ性能を引き出す独自技術「Glass Interface Layer(グラス・インターフェイス・レイヤー)」を活用。窓ガラスを通過した際の電波の減衰・反射を抑えることで、遠くまで電波を届けることを可能にしている。
景観を損なわない透明なデザイン
ウェーブアトッチは、透明・透視性のある導電材料とガラスを組み合わせて製造されている。さらには、周辺部材も透明なものを使用することで、景観や室内環境を損なわないアンテナを実現している。
相性のいい産業分野
- IT・通信
どんな場所でも不自由なく5G通信ができる環境整備
- ロボティクス
屋外で活躍するロボットの通信環境をサポート
- アート・エンターテインメント
美術館での景観を壊さないアンテナ設置
- 流通・モビリティ
自動車用ガラスアンテナとして車窓に設置
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © AGC 株式会社