No.686

2022.04.18

余剰バイオマスから生み出した高性能吸着材

Triporous™(トリポーラス)

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概要

「Triporous™(トリポーラス)」とは、余剰バイオマスの米の籾殻(もみがら)から生まれた天然由来の多孔質カーボン素材。籾殻を炭化し、水蒸気による高温処理をすることで、様々な大きさの孔を持つ多孔質構造を作り出す。この特許技術の微細構造により、水や空気の浄化を実現。従来の活性炭では吸着しづらかった有機分子やウイルスなどの大きな物質も容易に吸着し、優れた吸着スピードと、高い薬剤担持量などの特性も有する。用途に合わせて形状や粒度(メッシュ)を調製できることから、アパレル、浄水、空調、ヘルスケアといった幅広い分野への応用が期待されている。

トリポーラス2

トリポーラス3

なぜできるのか?

余剰バイオマスを使ったサステナブルな新素材

「Triporous™(トリポーラス)」は、全世界で年間約1億トン以上排出されるという米の籾殻(もみがら)を原料としており、1トンの籾殻から約100kgの「Triporous™(トリポーラス)」を製造することができる。余剰バイオマスをリサイクルすると同時に、籾殻の通常の焼却処理で排出されるPM2.5や温室効果ガスの排出量削減にもつながる。

特許取得の大小3種類からなる微細孔

籾殻を炭化し、水蒸気による高温処理をすることで製造される「Triporous™(トリポーラス)」には、2nmのマイクロ孔、2~50nmのメソ孔、約1μmのマクロ孔の微細構造が生まれる。これにより、マイクロ孔を主体とする従来の活性炭では吸着しにくかった大きな有機化合物やたんぱく質、ウイルスなど水中の汚染物などの大きな物質を容易に吸着し、また、低分子化合物の高速吸着を可能にした。

高い薬剤担持量と調製性能

「Triporous™(トリポーラス)」は、マクロ孔やメソ孔に大きな細孔容積を持つため、従来の活性炭よりも多くの薬剤や触媒を添着できる。これにより、従来の活性炭よりも多くの薬剤を添着でき、フィルター自体も2倍以上長持ちする。用途に合わせて形状や粒度を調製できるため、衣類などの消臭繊維などのアパレル分野、浄水フィルターなどの浄化分野、洗浄剤、エアフィルターなどの空調産業など幅広い用途に活用できる。

相性のいい産業分野

生活・文化

トリポーラスを利用したフィルターによる清潔な飲み水の提供

スポーツ

消臭性能を有した繊維からなる機能性運動ウェア

住宅・不動産・建築

臭いの原因やウイルスを吸収する内装壁材

AI

吸着した物質からその空間の清潔度を判定する機能性エアフィルター

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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