No.730
2022.06.14
クロスモーダル知覚を活用した飲用体験
ビールのおいしさを増幅させる音楽
概要
「ビールのおいしさを増幅させる音楽」とは、ビールを飲みながら聞くと、ビールの様々な食感が際立ち、新たな美味しさ体験を創出する音楽。注意制御がもたらす感覚増幅に着目し、リアルな音の誇張表現により高い臨場感を生んだり、別の効果音の組み合わせで食感を連想させたりすることで、美味しさを増幅させる。飲む前に聞いて期待感を高めるイントロから、「クリーミー感を増幅する音楽」「炭酸感を強める音楽」「のどごし感を増幅する音楽」と、一連の楽曲を聞きながらビールを味わうことで、時間の経過も含めた新たなおいしさを体験することが可能となる。
なぜできるのか?
豊かな飲用体験を創出する「クロスモーダル知覚」
博報堂のプロジェクトチーム「Human X(ヒューマンクロス)」は、「ビールのおいしさを増幅させる音楽」の開発にあたり、異なる知覚同士が互いに影響し合う「クロスモーダル知覚(五感の相互作用)」に関する学術的知見を本研究に応用。聴覚と味覚を組み合わせることで、ユーザーの知覚に働きかけ、より豊かな飲用体験を実現した。
消費者の注意を促し美味しさを増幅
「ビールのおいしさを増幅させる音楽」では、注意制御による感覚の増幅を利用。リアルな音を誇張して高い臨場感を創出したり、異なる効果音同士の組み合わせで食感を連想させたりすることで、消費者の味覚・聴覚への注意を促し、ビールのおいしさを高める。
ブランドの世界観に合わせたデザイン
クロスモーダルナレッジ(五感の相互作用)を企業が持つブランドの“らしさ”と掛け合わせることで、生活者の身体性や感情に着目したブランド開発や世界観構築、新たな体験創出、研究開発、新事業開発にも取り組む。
相性のいい産業分野
- 食品・飲料
ビールを飲みながら聞き、普段のビールをよりおいしく賞味
- メディア・コミュニケーション
CMや広告で使用し消費者の購買意欲を喚起
- 生活・文化
料理や嗜好品のおいしさを増幅させるBGM音楽
- IT・通信
「飲食物のおいしさを増幅させる音楽」に特化した音楽チャンネル
- 製造業・メーカー
プルタブを起こすと「ビールのおいしさを増幅させる音楽」が流れる缶ビール
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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