No.751
2022.09.29
テキスタイルの廃棄を減らす、ポリエステル布地抜染技術
ネオクロマト加工
概要
「ネオクロマト加工」とは、染色またはプリントされたポリエステル布地から水を使わずに染料を簡単に取り除く技術であり、再度染色・プリントすることが可能になる。加工に必要な道具は昇華転写印刷などに使われるヒートプレスマシンのみであり、熱により生地を染めている染料を抽出し当て紙に移動させることができる。当て紙は燃えるゴミとして処理ができ、排水による水質汚染を最小限に抑えられる。印刷と抜染の繰り返し加工により表現手段が増すだけではなく、服を始めとした布製品のアップサイクルの手段を増やすことが期待されている。
なぜできるのか?
印刷・抜染の繰り返しが可能
日華化学の界面科学技術を応用し、染色又はプリントされたポリエステル布地から水を使わずに染料を簡単に取り除き、再度、染色・プリントを可能とする。分散染料によって染色したポリエステル生地であれば抜染が可能であり、抜染直後に昇華転写印刷等の手法で印刷と抜染を繰り返すことが可能。
ヒートプレスマシンのみの簡易な設備
「ネオクロマト加工」に必要な設備はヒートプレスマシンのみであり、加えて、当て紙と加工液があれば、水を使わないポリエステル生地の抜染が可能。布の生地の種類ごと、染料の量の違いなどに合わせて当て紙の種類や枚数、加工温度などのいくつかのパラメーターをチューニングすることで転写を実現する。
テキスタイルロスゼロへの貢献
当て紙に移動させることで水を一切使わない抜染を実現、排水による水質汚染を最小限に抑えることができる。また、衣類の印刷・抜染の繰り返しを可能にすることでファッション産業の大量生産・大量消費・大量廃棄といった問題から脱却した、サステナブルな表現と繊維製品のアップサイクルに貢献する。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
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