No.758

2022.09.26

半径15㎞の風況インフラを可視化するドップラーライダー

Wind Guardian(ウィンドガーディアン)

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概要

「Wind Guardian(ウィンドガーディアン)」とは、風の動きを広範囲で把握し、瞬時で3次元に可視化する装置。赤外線レーザーにより、最大で半径15kmの範囲の風向・風速をリアルタイムでモニタリングできる。従来、風況を測定する装置(ドップラー・ライダー)は、大型で高価なものが多かったが、「Wind Guardian」は性能を維持しながらも、大幅な小型化・低価格化を実現。建物や電柱への設置や、EV(電気自動車)への設置など複数地点への展開が可能なことから、ドローン運航の安全性の確保や急激な気象変化の検知などを可能にする風況インフラを実現する技術として期待されている。

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なぜできるのか?

赤外線レーザーを用いた計測

「Wind Guardian(ウィンドガーディアン)」は、赤外線レーザーを空中に照射し、微粒子(エアロゾル)からの散乱光を受信。ドップラー効果による信号周波数の偏移を観測することで、風速と風向を計測できる。

高精度な風況観測を可能にするレーダー技術

開発元のメトロウェザー株式会社は、京都大学生存圏研究所の所有する長距離・高精度の気象観測レーダー開発の知見を応用。独自の信号処理により、数10㎞先のマイクロメートルスケールのエアロゾルを捉えられる高精度計測を実現した。これは、東京駅から新大阪駅のホーム上にあるピンポン玉の動きを捉える精度に相当し、これにより風況の正確なモニタリングが可能になる。

広範囲にわたる観測

「Wind Guardian」は、装置を中心に最大15kmの範囲を計測できるほか、最小10cm間隔での計測が可能。装置から離れた地点にある風向・風速を同時に計測できるほか、複数台設置することで正確に計測できる領域を広げられる。

小型化で広がるユースケース

従来、ドップラー・ライダーは軍事用途や空港での運用を想定しており、数mから10m以上のサイズが一般的だった。一方、「Wind Guardian」は、信号処理の効率化や内部構造の適切な実装を行うことで、1m以下のサイズまで小型化。ビルの屋上や基地局への設置が可能になった。

屋外でも長期運用できる高耐久性

「Wind Guardian」は、高耐候性コーティングを採用。そのため、屋外の厳しい環境下でも長期運用ができる。

相性のいい産業分野

航空・宇宙

風の動きを正確に把握し安全なドローン航行を実現

環境・エネルギー

上昇気流や線状降水帯の発生を予測しゲリラ豪雨を回避

流通・モビリティ

台風や突風の動きを予測し「空飛ぶ車」の安全運航に貢献

農業・林業・水産業

風の動きを事前に予測し作物の防風対策を実施

スポーツ

野球の試合で風の動きからボールの軌道や飛距離をリアルタイムで予測

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top images:© メトロウェザー 株式会社

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