No.779

2022.12.20

ラストワンマイル物流を変える自律走行ロボット

搬送用ロボット(AMR)サービス by 三菱電機

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概要

「搬送用ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)サービス by 三菱電機」(以下AMR by 三菱電機)とは、衛星システムやAI技術を組み合わせることで安全かつ正確な自律走行を実現する配送ロボットサービス。屋外・屋内をシームレスに走行でき、ルートの混雑度や到着時間を予測することが可能、業務の省人化・省力化に貢献する。積載部のカスタムが可能なため物流・配送のほか、回収サービスや広告宣伝など、さまざまな用途への活用が期待されている。

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なにがすごいのか?

  • 衛生システムを活用した安全かつ正確な自立走行

  • 屋外、屋内のシームレスな移動が可能

  • AI技術「Maisart(マイサート)」による混雑度予測

なぜ生まれたのか?

近年、少子高齢化の進展に伴う労働人口の減少は大きな社会問題となっている。業務の省人化と省力化を図り、ヒトが自由に過ごせる社会の実現するには、業務の自動化・ロボット化が不可欠である。三菱電機ではラストワンマイル物流・配送をはじめ、様々な用途での利用が期待される「搬送ロボット(AMR)サービス」の開発に積極的に取組んでいる。

実現事例 実現プロジェクト

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「手ぶら観光ソリューション」実証実験

三重県多気郡多気町の大型商業リゾート施設「VISON(ヴィソン)」にて行われたプロジェクト。ロッカーを搭載した搬送ロボットが観光客の購入品を各店舗から収集し、指定された店舗・時刻へ自動で届けることで、手荷物の煩わしさから解放された観光を実現する。なお、本プロジェクトでは、ロッカーの割り当てを数学的に最適化。1回の搬送で複数客に対応するとともに、観光客の受け取りミスや格納ミスを未然に防止した。

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なぜできるのか?

準天頂衛星システム「みちびき」

三菱電機が設計・製造を行った準天頂衛星システム「みちびき」による高精度測位技術と高精度3次元地図データを組み合わせることで、安全かつ正確な自律走行を実現。車両にはカメラや各種センサーを搭載。歩行者や障害物など、車両周辺の状況を確認しながら安全を担保した走行が可能となる。

屋外・屋内をシームレスで自律走行

事前に建物内の3次元地図を作成し、ルート検証することで屋内での走行も可能。屋外・屋内シームレスな自律走行が可能になったことで、搬送用ロボットの活用範囲を広域化できる。

用途に応じて積載部を変更可能

搬送用ロボットの積載部は物流・配送はもちろん、ゴミ回収や広告宣伝など用途に合わせて自由に変更でき、多様なニーズに応える。

高精度AIによる走行ルートの予測

実証実験では、三菱電機のAI技術「Maisart(マイサート)」を活用し、曜日や時間帯で変化する歩道の混雑度を93.3%の精度で予測。指定時刻から前後5分以内に受取り場所に到着する搬送スケジュールを自動で作成する。

相性のいい産業分野

流通・モビリティ

指定された場所・時間に荷物を的確に届ける無人配送ロボット

ロボティクス

街中における歩行型ロボットの自律的な移動を実現

メディア・コミュニケーション

効果的な集客を実現する移動式サイネージロボット

医療・福祉

病院や福祉施設内での高齢者の移動や配送をサポートする介助ロボット

製造業・メーカー

屋内外をシームレスに移動する監視ロボット

生活・文化

視覚障がい者の安全な歩行を実現する盲導犬ロボット

旅行・観光

お土産や荷物を常に回収してくれる手ぶら観光ロボット

食品・飲料

無人化かつ最短時間で配送する出前ロボットによる人件費削減

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 三菱電機 株式会社