No.898
Tech Direction Awards受賞作品
2024.08.27
人間の嗅覚を模倣した高精度なにおいセンサー
AI OIfactory Sensor
概要
「AI OIfactory Sensor」とは、人間の嗅覚を模倣したAIセンサー。検知したにおいを映像化し、AIアルゴリズムで解析することで、においの詳細な判定を実現する。従来、においの判定は主にヒトが行ってきたが、嗅覚は記憶や感情といった認知と深くかかわるため、センシングが困難とされていた。一方、「AI OIfactory Sensor」を用いることで客観的かつ高精度な測定が可能。ワインや香水などの複雑なにおいを判定できることから、食品の品質管理や腐敗検知などでの活用が期待されている。
なにがすごいのか?
ディスプレイ技術で生物の嗅覚センサーを再現
人間の主観に頼っていたにおいの客観的な判定を実現
ワインの銘柄を当てられるほどの高精度判定
なぜ生まれたのか?
開発元のシャープ株式会社は、液晶をはじめとするディスプレイ事業に力を入れており、さまざまな要素技術を開発してきたが、要素技術をディスプレイ以外の分野を応用できないかとの提案を受け、検討を進めてきた。
すると、ヒトの目に相当する「画像認識センサー」は一般的である一方、鼻に相当する「においセンサー」の開発は進んでいないことが分かった。そこで、同社は、2020年にディスプレイ基盤技術とAIを活用した「AI OIfactory sensor」の開発を開始した。
なぜできるのか?
嗅覚受容体を模倣したセンサーアレイ
「AI OIfactory Sensor」では、シャープ独自のディスプレイ基盤技術を活用し、生物の嗅覚受容体を模したセンサーアレイを作成。においを見える化することで、詳細かつ複雑ににおいを測定できる。
多様なにおいのかぎ分けを実現する機械学習
においの判定においては、AIが事前に学習したにおいのデータに基づいてにおいの特徴を抽出する。そのため、さまざまなにおいの嗅ぎ分けが可能になる。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © シャープ 株式会社