No.871

2024.07.12

原因菌を99.99%殺菌し歯を残す、世界初の歯周病治療器

ブルーラジカルP-01

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概要

「ブルーラジカルP-01」とは、歯周病の原因菌を99.99%殺菌して歯を残す、世界初の歯周病治療器。歯周ポケットに対し、ラジカル殺菌と超音波振動で治療を行って、歯周病を引き起こす菌の殺菌とプラーク・歯石の除去を同時に実現する。さらに、歯周病の原因の1つである「歯に興味がなくなること」にアプローチするため、患者向けの行動変容アプリ「ペリミル」を開発して、歯の治療とともに提供。歯周病は重症化すると抜歯などが必要となるが、歯だけでなく人にも同時に働きかけることで、歯周病の根本解決を可能にすると期待されている。

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なぜ生まれたのか?

東北大学発のベンチャー企業であるLuke株式会社と、東北大学大学院歯学研究科の共同研究により誕生した。研究開発期間は約17年。初期の研究段階から厚生労働省と連携しながら治験を重ね、2023年7月に歯科医療機器製造・販売の承認を取得した。患者行動変容アプリ「ペリミル」と連動させ、2024年1月より販売を開始。同年5月に、第一号となる神奈川県の歯科医院に導入した。それを皮切りに、広島県、東京都、大阪府、千葉県、宮城県など複数県の歯科医院で運用を開始している。

なぜできるのか?

ラジカル制御技術を用いた殺菌

消毒剤として一般的に使用されている、過酸化水素の光分解反応(光によって生じる化学反応)を応用し、局所の殺菌力に優れた殺菌技術を開発した。3%過酸化水素に対し、生体に影響のない安全な波長 405 nm(ナノメートル、1mmの1/100万)の青色レーザーを照射して、光分解反応でヒドロキシルラジカル(活性酸素の一種)を生成。ヒドロキシルラジカルの強い酸化力で、デンタルプラーク(歯垢)中の細菌を殺菌する。さらに、従来治療に用いられてきた超音波振動も組み合わせ、99.99%の殺菌とプラーク・歯石の除去を実現。治験では、原因菌の減少に加え、歯周ポケットを浅くする効果も実証されている。

歯と人にアプローチする治療コンセプト

歯周病が発症するメカニズムは、「歯に興味がなくなること(ネグレクト)から始まる」と考え、歯と人に同時にアプローチする治療法を考案。歯・歯周ポケット内の治療とプラークコントロールによる「対症療法」に加え、口腔内に興味を持つことを習慣化させる「原因療法」を並行して行う、新たな治療法を開発した。「ペリミル」で歯への興味を保ちながら、「ブルーラジカル P-01」で物理的な治療を行い、歯周病を根本から解決する治療を可能にしている。

行動変容を促すアプリ「ペリミル」

歯科医院といつでもコミュニケーションが取れるアプリ「ペリミル」を開発。アプリでは例えば、歯1本ごとのリスク・炎症状態や治療経過などの確認が可能。また、歯科衛生士から歯磨き指導などのアドバイスを受けたり、歯磨きタイマー機能でブラッシング習慣をサポートしたりできる。歯に関するコンテンツ配信機能なども搭載している。歯科医院を訪問しない期間も、歯への興味を維持して、生活習慣病でもある歯周病の原因となる怠慢・放置状態の発生を防止。患者の行動変容を促して、デンタルプラークの蓄積を抑制する。

相性のいい産業分野

生活・文化

効率的・効果的な歯周病治療として国内外に広く展開

医療・福祉

医療機関や介護施設で高齢者の口腔環境改善ソリューションとして活用

IT・通信

自宅で手軽に使える歯周病治療器の開発

製造業・メーカー

歯ブラシ一体型の歯周病治療器の開発

航空・宇宙

宇宙ステーションや宇宙空間の長期滞在時、口腔環境維持に活用

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © Luke 株式会社