No.532

2022.06.22

再生材料を50%以上含有でリサイクルを促進する新素材

CirculeX(サーキュレックス)

CirculeX

概要

「CirculeX」とは、廃プラスチックなどの再生材料を50%以上含む素​​材。プラスチックは、日常生活に欠かせない素材である一方、近年はマイクロプラスチックや処分場不足などの問題も顕在化。これらの問題に対して各国が様々な対策を講じているが、十分な効果を上げているとは言い難いのが現状だ。CirculeXは、 プラスチックを廃棄せずに材料として取り入れることでマテリアルサイクルを促進し、こうした問題の進展に寄与できる。再生材料やプラスチック代替素材へのニーズに応えることができるため、包装資材はもちろん、物流や建築資材などの領域でも製品としての活用が期待される。

CirculeX

なぜできるのか?

プラスチックにまつわる資源・環境問題に貢献

CirculeX は、非再生材の代わりに廃プラスチックを原料としている。これまでプラスチック素材は100%石油由来であったが、CirculeXはそのプラスチックをリサイクルし、そのクオリティも再生前の材料に近い。さらに、CirculeXを含む包装材などはCirculeXとして再資源化できるため、石油資源を保全し、廃プラスチックの焼却やプラスチック製造の際に排出されるCO2の削減が期待できる。

国際基準で認められたマテリアルリサイクルを促進

CirculeXのように、ゴミを原料として新たな製品を生み出すリサイクルは「マテリアルリサイクル」と呼ばれ、ゴミ焼却で熱エネルギーを回収する「サーマルリサイクル」と区別される。CO2排出量削減効果はマテリアルリサイクルがサーマルリサイクルの約2.3倍になる上、日本で主流のサーマルリサイクルは国際的にはリサイクルとして認められていない。CirculeXはマテリアルリサイクル率を向上させ、世界基準で認知されたリサイクルへと日本のゴミ問題の流れを変えていくと期待される。

Limexとの併用で効率的な資源循環モデルを実現

CirculeXは、製造元のTBMが先んじて開発したLIMEXと合わせて、効率的な資源循環モデルの実現に寄与する。日本でも自給自足できる石灰石を主原料とするLIMEXは、紙やプラスチックの代替製品になるので、枯渇性のある資源への依存を抑制。CirculeXは、様々な再生材料とのマッチングを実現して資源の循環を促進するため、プラスチックの回収に加えて、このLIMEXも再利用できる。そのため、両者によって資源消費を相乗的に抑制、採算性も含めて効率的なリサイクルに向けた資源循環型モデルを実現できる。

循環型モデルの実現に向けた具体策

循環型モデルの実現には、CirculeXの原料を効率よく回収し、CiruleX自体も再利用することも必要。そのために、自治体や小売店と連携した回収スポットを設置しているほか、回収したゴミをポイントに交換するアプリの開発など消費者参加型の回収モデルの構築も進めている。

相性のいい産業分野

資源・マテリアル

廃棄ペットボトルから作るゴミ袋

医療・福祉

CirculeXを再生した医療用注射器

環境・エネルギー

廃プラスチックから作ったプロペラを使った風力発電装置

アート・エンターテインメント

劣化したら回収、再生するプラスチック製パブリックアート

この知財の情報・出典

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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