No.1131
2026.06.23
CO₂を吸収するとプラスチックに変化するゴム
プラスチックに変わるエラストマー

概要
「プラスチックに変わるエラストマー」とは、岐阜大学と横浜国立大学の共同研究グループが開発したCO₂を吸収するとプラスチックに変化するゴム。近年、持続可能な社会を目指し、主要な温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の空気中からの回収、貯留、さらに回収したCO2の有効活用技術の開発が進められている。エラストマーとは、一般的に日常では"ゴム"と呼ばれており、伸縮性と弾力に富んだポリマー材料のこと。今回開発されたエラストマーは、CO₂を吸収すると1000倍以上硬くなり、そして強靭なプラスチックに変化する。CO₂を吸収すると蛍光発光強度が大きく増加する性質や、加熱してCO2を除去すると元に戻ることからさまざまな活用が期待されている。
なぜできるのか?
CO₂を吸収すると1000倍以上硬いプラスチックに変化するゴム
最初は輪ゴムくらいの柔らかさだが、CO₂を吸収すると1000倍以上硬くなり、そして強靭なプラスチックに変化する。アミンを分子内に豊富に持つポリマーのポリエチレンイミンとシリコーンポリマーの一種であるポリジメチルシロキサンを分子レベルで複合化して作成された。これにより、CO2との反応性に富むポリエチレンイミンがCO2と反応して硬化するため、CO2を吸収するとアクリル板のように硬くなる。
さまざまな活用に期待
エラストマー表面の粘着性や摩擦特性がCO2吸収により瞬時に大きく低下する一方で、CO2を加熱によって除去すると元に戻ることができる。これは、このエラストマーが機能性コーティングとして有用であることを示している。さらに、CO₂を吸収すると蛍光発光強度が大きく増加する性質があり、CO₂の供給と除去によって光学的な情報の記録と消去が可能な材料としての活用も期待される。また、このエラストマーは1gで約220mgのCO2を吸収するため、CO₂を吸収するフレキシブルなシート状吸収材料としても応用が期待できる。
岐阜大学と横浜国立大学による共同研究
この研究は、岐阜大学工学部の三輪 洋平 教授、工学研究科博士課程1年の岡田 和真さん、自然科学技術研究科修士課程1年の林 拓海さんらの研究グループと、横浜国立大学の中野 健 教授、大久保 光 准教授、信州大学の山本 勝宏 教授、名古屋市立大学の高瀬 弘嗣 博士との共同研究によるもの。本研究によって、「材料の機能制御のためのCO₂利用」という新しい視点からのCO₂の有効活用用途の開拓が期待され、本研究成果は、日本時間2025年11月11日(火)にNature Communications誌オンライン版で発表された。
相性のいい産業分野
- 環境・エネルギー
二酸化炭素排出量削減への貢献
- 製造業・メーカー
製品の保護や製品自体への展開などへの活用
- 食品・飲料
熱で柔らかくなる特性を活かしたパッケージなどへの展開
- メディア・コミュニケーション
街の広告や掲示板への展開
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © 岐阜大学

