No.850
2024.06.04
電子ごみをガラスタイルにリサイクルするプロジェクト
Common Sands – Forite
概要
「Common Sands – Forite」とは、電子機器廃棄物から取り出したガラス部品をタイルに生まれ変わらせる研究プロジェクト。従来、ガラスは砂を主原料とするが、廃棄された冷蔵庫や電子レンジから取り出したリサイクルガラスを原料として、タイルをつくることができる。世界的な砂不足問題を解消し、循環型経済を推進するサステナブルなプロダクトとして期待されている。
なぜできるのか?
電子機器からガラスを取り出す技術
開発元であるノルウェーのデザイン事務所Snøhetta(スノヘッタ)は、ベルギー・ブリュッセルのデザインオフィスStudio Plastiqueとともに、電子機器の廃棄物からガラスを取り出す「COMMON SAND」を推進。「Common Sands – Forite」は、本プロジェクトで培ったノウハウをもとに開発されており、製造にはイタリアのタイルメーカーFornace Brioniも関わっている。
世界的な砂不足問題の解決策
一般的に、砂は、ガラスや電子機器のほか、コンクリートやセメントといったインフラの原料にも使われており、砂不足が世界的な問題になっている。しかし、電子機器の部品はほとんどリサイクルされず、EUによる法整備も行われていない。「Common Sands – Forite」では、砂を使わないガラス製造と電子機器廃棄物の資源循環を両立した。
素材を生かしたユニークなデザイン
デザインには、素材となった電子機器廃棄物のガラス部品の色や質感をそのまま活用。透明な部分と半透明な部分を含んだテラゾ(人造大理石)のような質感で、幅広い建築用途に適している。
相性のいい産業分野
- 資源・マテリアル
電子機器メーカーとリサイクルショップが共創した循環プラットフォームの構築
- 住宅・不動産・建築
電子ごみからリサイクルしたタイルを活用した建築や内装
- アート・エンターテインメント
思い出の電子機器をアクセサリーに変換できるサービス
- 官公庁・自治体
回収した家電ごみから製造した、ふるさと納税の返礼品向けのグラス
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © Snøhetta