No.886
2024.08.07
機能性・デザイン性を施す穴開け加工
エヌシーパーフォレーション
概要
「エヌシーパーフォレーション」とは、シート状の素材(樹脂、合皮等)に機能性とデザイン性を加える穴開け加工。穴の大きさや配置などを自由に構成して、レザー(本革・合成皮革・人工皮革)表面に穴加工でき、通気・吸音・滑り止めなどの機能性の付加と、ドット柄によるデザイン表現ができる。一般的なパンチング加工での小さな穴の加工では、穴が変形する場合があるが、ドリルを用いたドリリング加工により、穴ダレなどのない仕上がりを可能にしている。旅客航空機やeVTOL(電動垂直離着陸機)、自動車のシートなどモビリティ関連での展開に加え、建材、音響機器、電子部品など幅広い分野での活用が期待されている。
なぜできるのか?
ドリリング加工の技術
創業以来培ってきたドリリング加工の技術がベースにある。空洞のピンを使用して穴開けを行う一般的なパンチング加工では、穴径が小さくなるとピン内部へ繊維が詰まり穴が変形する場合があるが、ドリリング加工の技術でそれを解消。穴ダレ、バリ、焼けがほとんどない高品質な穴加工を可能にしている。また、様々な穴径のドリルで貫通穴・不貫通穴・切削加工ができ、多様な穴開けが可能。加工できる穴の直径は0.4~6.0mmと幅広く、直径0.05mm刻みで調整できる。パンチング加工では難しい、5mmより小さい穴間ピッチ(長さ)も対応でき、自由な設計と実装を可能にしている。
NCデータによる柔軟な加工
加工場所の座標指示や速度設定などができるNCデータでドリルを制御し、穴加工を行っている。加工のための金型製作が不要で、設計・見直し時はNCデータの作成・変更のみで対応可能。工数・費用を抑えた加工や小ロットでの穴開けができる。設計の自由度も高く、ドットによる複雑なデザインから、吸音・温風の通気・滑り止め・素材の軽量化など、機能性を持たせた穴加工まで可能。6軸のドリルヘッドで複数の穴開けを同時に行い、厚みによっては重ね加工も可能なため、効率化も実現する。また、レザーの表皮に加え、パンチング加工などで対応できないレザーにウレタンフォームを貼り合わせた複合材の穴開けにも対応しており、広い領域で活用できる。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
・特許第5495571号
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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Top Image : © エヌシー産業 株式会社