No. 052 360°どこからでも映像を楽しめるディスプレイ

円筒形透明ホログラムディスプレイ

この知財は、高い透明度を保ちながら高輝度の360°映像表示が可能な円筒形透明ホログラムディスプレイ。従来の透明ディスプレイは透明度と投影された映像の輝度を両立するのが困難だったが、独自の円筒投影光学設計により、360°全方位からでも鮮やかな映像を視聴できるようになった。将来的には、360°映像とそれに協調するサウンドに対し、Leap Motionなどを利用したハンドジェスチャーでリアルタイムに操作することで、新しいインタラクティブな体験を創出することが期待される。

なにがすごいのか?

  • 全方位から回り込んで側面像を覗き込むことができる
  • 色鮮やかでくっきりとした綺麗な映像を立体的に表現できる
  • 高速ビジョンセンサーを用いた高速カメラで視聴者の位置を検出できる

なぜ生まれたのか?

従来のペッパーズゴーストなどのホログラムは、立体視したい対象の一面しか結像できず、視聴者の好む方位に応じてリアルタイムに映像を変化させることが困難だった。また、透明度・輝度の両立も課題であった。そのため、単なる視覚トリックではない、はっきりとした映像表現が必要とされていた。

妄想プロジェクト

空間図形の構造がわかる教育ポッド

ある研究によると、「空間認識能力」(*1)が高い生徒は、数学や科学への関心が高いのだそうだ。そういった生徒たちは、頭の中で立体をぐるぐると回転させることが得意だ。逆に、それが苦手な生徒もいる。より多くの生徒たちが空間図形問題を解けるようになり、数学や科学への苦手意識を払拭するにはどうしたらいいのだろう?そんな疑問に答えてくれるのが、「360°円筒型透明ホログラムディスプレイ」だ。これが小中学校や塾にあれば、生徒たちは頭の中で立体を回す必要はない。生徒たち自身がぐるぐるとディスプレイの周りを回れるのだ。そうなれば、生徒たちの空間認識能力を直感的に高めることもできるだろう。
(*1) 3次元空間上において、物体の位置や形状・方向・大きさなどの状態や位置関係を素早く正確に認識する能力

なぜできるのか?

高速カメラによるリアルタイムトラッキング

毎秒1,000フレームで撮像が可能な高速ビジョンセンサー(IMX382)を用いた高速カメラにより、視聴者の位置を360°シームレスにリアルタイムトラッキングすることで、常に円筒内にあるように映像を表示し、2D映像でありながら実在感の高い表現を実現する。

非常に大きい回折効率を実現するホログラムフィルム

特定の光の波長のみに対して光を半球状に散乱させる機能を持った干渉縞を焼き付けたホログラムフィルムにより、非常に大きい回折効率を実現する。

相性のいい分野

アート
本知財の複数台利用やVR/AR技術との組み合わせによる映像クリエイターへの新たな空間演出手法の提案
教育
奥行きの掴みづらい対象物の立体構造の直感的把握
(数学の講義での空間図形や医学部の人体解剖学の講義での人体構造など)
コミュニケーション
故人や想像上の登場人物との会話
会話相手がすぐそこにいるような感覚の実現
建築
建築設計における新たな製図手段
医療
インタラクティブ性獲得による遠隔オペなどの手術支援

知財情報

主な知財ホルダー:ソニー株式会社 R&Dセンター

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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知財ハンター

Mitsuhiro Odaka
小髙 充弘 Mitsuhiro Odaka
Media Artist / Konel Inc.

1991年生、神戸出身。学士(医学,理学)。広義の「感染」に関するメディアアート制作を行う。病原体、行動、モラル等が、複雑に跨ぎ合うつながり構造の上を拡散・極性化する現象に関心がある。その関心の下で、データによる予測可能性を超えた逸脱的な意味付けの内部に人間が人間たる規定要因を探したり、疎外された逸脱主体と他との交流の回復がありうるのか探ったりしている。