No. 113 地上でも宇宙でもぐっすりよい夢を

SmartSleep ディープスリープヘッドバンド

本知財は、ユーザーの脳波に合わせて流すオーディオトーンで深い睡眠の質を高めるヘッドバンド型のウェアラブル機器。脳波のリアルタイム計測と独自のサウンドアルゴリズムによるノンレム睡眠の活性化、専用アプリを利用した睡眠の質のトラッキングによって、睡眠不足を解消する。本知財を活用した宇宙飛行士の睡眠改善効果を実証する研究にも乗り出しており、将来的には地球・宇宙の境界を越えて、あらゆる睡眠不足の解消に活躍することが期待される。

なにがすごいのか?

  • 睡眠状態の計測と睡眠の質の向上
  • 薬物を使用せず、睡眠改善効果が期待できる
  • 軽くて柔らかい素材のため、睡眠中の身体的負荷が少ない

なぜ生まれたのか?

SmartSleepの開発元であるフィリップス社は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療機器など、睡眠に関する技術開発や臨床研究を40年近く続けて来た。こうした技術と経験を生かして睡眠に悩みや不満を抱える現代人の健康増進やパフォーマンス向上に貢献していくため、本知財は開発された。
また、NASAとの「トランスレーショナル・リサーチ・インスティテュート(TRUSH)」では、本知財によるパフォーマンス改善効果を実証する研究が進められており、擬似的に作られた宇宙空間ラボラトリで、被験者にヘッドバンドを装着させてパフォーマンスレベルを測る実験などが実施されている。従来、宇宙飛行士の睡眠不足は宇宙での作業に支障をきたす大きな要因となっており、睡眠不足への対処として睡眠薬の服用が挙げられるが、一様に服用を推奨することは現実的ではなく、近年普及しつつあるスリープテックの応用が期待されていた。

なぜできるのか?

脳波のリアルタイム測定と感覚刺激

おでこと耳の後ろにある2つのセンサーで脳波をリアルタイムで測定し、睡眠の状態を計測する。深睡眠状態と判定されると、独自のアルゴリズムにより耳に聴こえないレベルのオーディオトーンを発生させ、深睡眠の質を高める。タイミングや音量は睡眠の状態に合わせて自動で調整される。

専用アプリで睡眠状態をトラッキング

付属のアプリをダウンロードすれば、日々の眠りの質やリズムなどが記録されるほか、オーディオトーンの発生回数の可視化や世界の同年代との睡眠の量・質の比較も可能。効率的な睡眠を取るためのアドバイスもしてくれる。

相性のいい分野

宇宙
不眠症に陥ることの多い宇宙飛行士の睡眠をサポート
ビジネス
睡眠時間が十分確保できない会社員が利用することで、業務効率を向上
ヘルスケア
認知症患者の夜間徘徊を負荷をかけずに防止
医療
手術前の緊張感などから患者を解放
音楽
計測された脳波に基づくリアルタイムな音楽生成により、多様なリラックス音楽を創出

知財情報

主な知財ホルダー:Koninklijke Philips N.V.

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

知財ハンター

小髙 充弘 Mitsuhiro Odaka
Media Artist / Konel Inc.

1991年生、神戸出身。学士(医学,理学)。広義の「感染」に関するメディアアート制作を行う。病原体、行動、モラル等が、複雑に跨ぎ合うつながり構造の上を拡散・極性化する現象に関心がある。その関心の下で、データによる予測可能性を超えた逸脱的な意味付けの内部に人間が人間たる規定要因を探したり、疎外された逸脱主体と他との交流の回復がありうるのか探ったりしている。