陶磁器を電子回路化する技術
この知財は、素材表面を金で装飾する金彩という伝統技法を用いて、陶磁器を電子回路化する技術である。本来、金彩は華やかさを与える目的で使われる技法であるが、金の導電性に着目し電子回路に見立てることで陶磁器のIoT化を実現。この技術を応用した陶磁器「電-磁器」は、触ると反応するタッチセンサーや楽器などのインタラクティブデバイスとして、伝統工芸品の可能性を広げることが期待されている。
なにがすごいのか?
- 陶磁器を用いる様々な文化・行為をデジタル化
- 加工技術であるため陶磁器の原料や形状に依存しない
- 審美性を損なわず、後天的に機能性を持たせることが可能
- 電子回路として多様なインターフェースに対応
なぜ生まれたのか?
開発者であるFANCY FUTURE Instruments ltd.は、ユニークなオーディオの製造・販売を行なっており、陶磁器の楽器としての可能性を模索する中で考案されたのが原点。当初は、補修技法「金継」を電子回路化するプロジェクトを進めていたが、破損の具合によって回路のパターンが変わってしまうことから装飾技法「金彩」を用いる今の手法にたどりついた。電子回路としての汎用性の高さから、楽器以外のデジタル製品への応用も見据えている。