TOU(トウ)
TOU(トウ)は部屋の外を流れる風に反応し、空間に自然のゆらぎをもたらす壁。ただ風の流れに心をゆだねて「ボーッと」できる時間を生み出し、人の思考を拡張するランダム家電として開発された。将来的には居住空間などに導入され、屋内にいながら屋外の自然現象に思いを馳せることを通じたウェルビーイングへの効果測定も検討されている。現在は「日本橋地下実験場」に設置してあり、希望すれば内覧も可能である。
なにがすごいのか?
- 普段は普通の壁として機能し、屋外に風が吹くと連動して壁自体がゆらぐ
- 人工的な演出ではなく、自然界のゆらぎを室内に持ち込むことができる
- 自然のゆらぎがもたらす、脳の活性化など身体への効果が期待される
なぜ生まれたのか?
娯楽、広告、ニュース、チャット、スケジュール、、、自らスマートフォンにアクセスするまでもなく、空間内のあらゆるデバイスが意味を持った情報を絶え間なくはたらきかけてくる時代が到来しつつある。人々の脳は時間の隙間をつくらず効率的に思考を回転させられるため、便利かもしれないが、目的に一直線の思考は目的を超えることはないとも考えられる。予想もできないひらめきに出会うためには「脳の弛緩」が必要だと考え、「風のゆらぎ」という不規則な自然現象を、情報過多な空間に注入することで、ふとした時に「ボーッと」抽象的な思いにふけるきっかけの提供を目的として開発された。