No. 134 健康にも地球環境にも理想的な、食のガイドライン

The Planetary Health Diet(プラネタリー・ヘルス・ダイエット)

The Planetary Health Diet(プラネタリー・ヘルス・ダイエット)は、世界16カ国37人の研究者からなるグループが、科学的根拠に基づき、食事と食糧システムのあるべき形と解決方法を全人類に向けて提示した世界初のガイドライン。肉、魚、卵の消費を抑えるほか、砂糖や精製穀物、でんぷんを大幅に削減した食生活が推奨されており、具体的な食事内容や数値目標を示したことで、個人の健康維持だけでなく、サステナブルな食料システムを推進する世界の実現に向けた指針として期待されている。

なにがすごいのか?

  • 食料システムを抜本改革する、環境・健康を軸とした多角的な提言
  • 野菜を2倍、肉類は半分になど、具体的な食事内容に言及
  • 実現すれば年間1100万人以上の人の命を食関連の病から救う
  • 世界的規模で導入するための5つの戦略を提案

なぜ生まれたのか?

この提言の狙いは、世界人口が2050年までに100億人にまで伸びることが予想される中、環境に配慮した食糧システムを築き、その範囲内で入手できる素材を用いた健康的な食事を広めようというものだ。この食生活を選択すれば、世界で年間1100万人以上の人たちが、食生活に関連した病気で命を落とさずに済む、と研究チームは主張している。また生産システムにおいても、温室効果ガス排出、土地の開墾、水の使用、窒素肥料の使用、リン施用、生物多様性の6点に特に配慮した生産方法を取り入れる必要があるほか、食品廃棄・ロスの問題にも合わせて取り組まなくては、地球の未来が危険だという現実を示した。

なぜできるのか?

具体的なメソッド

食事の半分を果物、野菜、ナッツ類にすることが基本的なメソッドとして、1日に推奨される摂取食物とその量を具体的な指標で明示している。

個人の健康よりも地球環境に焦点

健康、農業、政治、環境の持続可能性分野における37人の研究者を16カ国から招集し、健康的な食事と持続可能な食料生産について世界規模で科学的な研究を行っている。

相性のいい分野

ウェルビーイング
日々の食事が理想的なバランスかどうかを確認できるアプリ「プラネタリー・ヘルス・フードチェッカー」
金融
生産プロセスでのCO2やフードロスを削減した分がインセンティブとなって受け取れる金融商品
フード
肉食を我慢したらポイントに交換でき、野菜がもらえるサービス

知財情報

主な知財ホルダー: EAT-Lancet Commission

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

知財ハンター

Mitsuhiro Odaka
小髙 充弘 Mitsuhiro Odaka
Media Artist / Konel Inc.

1991年生、神戸出身。学士(医学,理学)。広義の「感染」に関するメディアアート制作を行う。病原体、行動、モラル等が、複雑に跨ぎ合うつながり構造の上を拡散・極性化する現象に関心がある。その関心の下で、データによる予測可能性を超えた逸脱的な意味付けの内部に人間が人間たる規定要因を探したり、疎外された逸脱主体と他との交流の回復がありうるのか探ったりしている。


知財ライティング: 丑田美奈子