No. 145 上あごに貼るだけで手軽に減塩

Salt Chip(ソルトチップ)

Salt Chip(ソルトチップ)は、上あごに貼り付けて塩味を後付けするチップ型の減塩食品である。料理には一切塩を振らずに済むため、減塩が必要な方でも十分な塩味を味わいながら食事を楽しむことができる。食品に含まれる塩分のほとんどは舌に触れない無駄な塩分であることに着目し、味に必要な塩分だけをソルトチップから唾液に溶かして供給することで、大幅に塩分摂取量を減らすことを可能にした。ソルトチップを利用した無理のない減塩が予防医療へつながるとして期待されている。

なにがすごいのか?

  • 口内に貼るだけで減塩可能な簡易性
  • 摂取する塩分を大幅にカット
  • 低価格での販売を想定している(単価20円程度)

なぜ生まれたのか?

開発元は慶應義塾大学理工学部の三木則尚教授の研究チーム。透析患者や持病などで減塩食を摂取している患者が国内に2万人、食事制限をしている患者が300万人いると推計しており、そうした人にもおいしく食事をとってもらおうと、2012年ごろから研究に取り組んだ。現在、販売に向けて開発を進めている。

しょうゆ味のSalt Chipができれば、バラエティーに富んだポテトチップスが楽しめそうだ。

妄想プロジェクト

無塩ポテトチップス

「無塩ポテトチップス」は、Salt Chipと組み合わせることで市販のポテトチップス同様の塩味を感じられる、塩の振られていないチップス。

袋を開けると、中に同封されている絵入りのカードが目を引く。カードには付属としてSalt Chipが貼られている。チップスを食べる前に剥がしたSalt Chipを指先に乗せて口に入れ、舌先で上あごに貼ることで、チップスを食べている際にSalt Chipが舌先に当たり塩味を感じられる。


妄想家: 出村光世 妄想画家: 田嶋千寛

なぜできるのか?

舌の表面の塩分濃度をコントロール

舌には味蕾という味を感じる部位があり、この部分に触れない塩分は、味には関与しない余剰な塩分だといえる。ソルトチップは、味蕾のある舌の表面の唾液だけを十分な塩分濃度に調整することで、塩分摂取量を1/10〜1/20程度にまで減らすことを可能にする。

計算された溶解速度

ソルトチップは、甘味の強い食べ物には向かないため、主菜を食べ終わる時間を考慮して約6分間で溶けるように設計されている。

相性のいい分野

ヘルスケア
高血圧や糖尿病などの生活習慣病予防
飲食産業
味覚のコントロールとして塩味のみならず、甘味などの味覚にも対応することで多様な味を再現する可能性を持つ
ウェルビーイング
VRやハプティクスといった、身体感覚の拡張技術とあわせることでの没入感の飛躍的な向上

知財情報

主な知財ホルダー: LTaste Inc.

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

知財ハンター

清水 覚 Satoru Shimizu
Planner / Yahoo! Japan

上智大学理工学部物理学科卒業後、多摩美術大学美術学部情報デザイン学科を経て、2014年電通ヤング・アンド・ルビカム(株)入社。入社以降、プランニング職に従事。2017年よりヤフー株式会社にて、現職に至る。


知財ライティング: 松﨑 啓