ばっ気設備
ばっ気設備は、水を空気にさらして液体内に酸素を供給する「ばっ気」を行うために荏原製作所が開発した空気供給装置。従来のばっ気設備は、養殖池などの水中底部に堆積したヘドロを巻き上げることで池の水を汚染し、被養殖生物の成長を妨げてその収穫量を減少させるばかりか、養殖池自体の寿命を短くし、さらにこの水を外部に排水することで周辺環境を汚染してしまうという課題があった。ばっ気設備は、養殖池や水質汚染の進んだ河川におけるヘドロや被養殖生物の死骸などの巻き上げを防止するとともに、河川やダムの水位が変動した際にも安定して空気の供給を行うことが可能となる。
なにがすごいのか?
- ヘドロを形成せずに空気を混合・ばっ気
- 酸素が水中に溶け込む時間が長く、溶存酸素改善効果が高い
- 水位変動の影響を受けにくく、安定した空気供給が可能
なぜ生まれたのか?
水質汚染の進んだ河川、ダム、池または沼等の水にあっては、例えば硫化水素による悪臭が発生し、また鉄筋コンクリート管等の腐食が問題となるため、これらを浄化することが求められている。水中に空気、または酸素を注入して酸素を供給し、水中の溶存酸素量を増加させ、好気性条件とすることによって硫酸塩還元細菌の活動を抑制し、硫化水素等の発生を防止できることが知られている。
これを受けて荏原製作所は、ポンプ事業で培った独自技術を活かすことで、高い安定性と環境への配慮を備えたばっ気設備を開発するに至った。