マイクロプラスチック分析システム
本知財は、海底で劣化して小さな破片になったプラスチックごみ(マイクロプラスチック)を自動分析するシステム。種類ごとに異なる光の波長を吸収するプラスチックの特徴を活かし、光を波長ごとに分光して撮影するハイパースペクトルカメラでマイクロプラスチックをスキャンし、識別する。これまでマイクロプラスチックの分析は、顕微鏡を用いた手動によるものだったが、マイクロプラスチック分析システムは手動の約100倍の速さでプラスチックを自動分析できる。将来的には、マイクロプラスチック分析システムと民間船の活用を通じた海洋プラスチック観測データの整備・拡充と観測ネットワークの構築が、海洋汚染の可視化や、SDGs達成に向けた政策提言へ繋がると期待される。
深海に沈む大量のプラスチックゴミ
蛍光染色によるマイクロプラスチックの識別

プラスチックの種類ごとに異なる反射スペクトル
11種類の身近なプラスチックの近赤外波長範囲(900−1700 nm)での反射スペクトルを示している。
PE、PP、PSなどの材質ごとに、反射率が低下する(光が吸収される)固有の波長帯がみられる(例:矢印で示された特徴的な波長帯)。