No. 233 水道いらずの手洗いスタンド

WOSH

「WOSH」は水道を必要としない手洗い場である。「WOSH」は、使用した水の98%以上を循環させており、電源と20リットルの水さえあればあらゆる場所での手洗いを可能にする。3つのフィルターによる濾過・不活化でウイルスや不純物を取り除き、その水質はWHOの飲料水ガイドライン等の基準を満たす。ニューノーマル時代の衛生対策のほか、将来的には災害時や砂漠地帯など、水が貴重な場面での活用が期待される。

妄想プロジェクト

グローバル秘湯

秘境の地の源泉から湧き出る温泉「秘湯」。秘湯へと辿り着くまでは誰にとっても前途多難だが、特に、交通インフラが崩壊した被災地の人たちは、秘湯から最も遠い人たちと言っても過言ではない。

「グローバル秘湯」は、そんな国内外の被災地に秘湯を届ける、地域復興・多文化共生プロジェクト。WOSHを活用し、日本の秘湯を世界中のどこでも体験できるようにする。

そもそもWOSHの特徴は、水を補給して電源を入れれば、筐体内部の「自律分散型水循環システム」が排水を再生処理・循環利用をしてくれるところ。この循環システムがあるからこそ、水道と繋がなくても、一度水を補給すれば繰り返し使える状況が実現している。

ではここで、補給する水を、秘湯に替えてみてはどうだろうか?

WOSHの循環システムを拡張して、足湯用の浴槽に接続。WOSHに秘湯を補給して発電機を回すと、処理済みの加温された秘湯が、WOSHのノズルから横付けされた浴槽へと流れる。浴槽の湯はWOSHに戻され再生処理が施される。これを被災地へと持ち運ぶことで、誰でも足湯に浸かって温まる機会を得られる。足湯を知らない人はその肌触りに驚きこそすれ、WOSHに付属の液晶画面を見て、足湯文化や秘湯の由来場所について知ることもできる。

凍える夜を過ごす被災者、ざらざらと硬く重い瓦礫を運んだボランティア団体、息つく暇もない災害医療チームのスタッフ。あらゆる人たちが集まって、湯気の立ちこむ中、柔らかな香りと感触に興じながら、これからのことを話し合うことだろう。


妄想家: 宮田大、小髙充弘

なぜできるのか?

高精度な濾過・除菌システム

2つの活性炭と1つのRO膜(ウィルスの1/100の大きさの孔を有する逆浸透膜)での濾過に加え、深紫外線照射・塩素系消毒剤を投入し、安全な水を生成する。

独自センサーとAIを組み合わせた監視システム

9つのセンサー・AIが水質・システムを常時監視・制御し管理者に通知を送るため、トラブルやメンテナンス時にすばやく対応できる。

スマートフォン除菌機能を付加

手洗いをしている間にスマートフォンを深紫外線照射できる機能もあり、身近なデバイスの衛生対策にもなる。

相性のいい分野

ヘルスケア
手洗い用水が確保しづらい災害や断水の状況においても、衛生状態を保ち病気の予防ができる手洗い場
ヘルスケア
真夏の運動会で熱中症になりそうな子供・高齢者を知財No.167「Binah(ビナー)」で発見し、冷却用水を射出する「WOSH救護部隊」(「Binah」の記事はこちら
ロジスティクス
GPS探知機能と自動運転AIを搭載、ローラー車輪で駆動。真夏の渋滞エリアで熱中症患者が現れた緊急時、専用コールで呼ぶとやって来て冷却用水を提供する、「路傍のWOSH」
環境保護
生活用水として川の水を利用しそのまま流している地域(発展途上国など)に設置することで、汚水流出を防ぎ川の水を綺麗に保つ設備
宇宙
水が貴重な宇宙における水道代わりの装置
アート
車輪のついたWOSHが100個集合してランダムに動き回るアート「ランダム噴水ウォーカー」
アート
水彩画家や書道家が水処理をやりやすい、アーティスト専用の筆・染料洗い場

知財情報

主な知財ホルダー:WOTA株式会社

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

知財ハンター

出村 光世 Mitsuyo Demura
Producer / Konel Inc.

1985年石川県金沢市生まれ。早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。アート/プロダクト/マーケティングなど領域に縛られずにさまざまなプロジェクトを推進。プロトタイピングに特化した「日本橋地下実験場」を拠点に制作活動を行い、国内外のエキシビションにて作品を発表している。自然現象とバイオテクノロジーに高い関心がある。


知財ライティング: 中澤智心