No. 278 曲面タッチディスプレイを“描く”技術

ProtoSpray(プロト・スプレー)

ProtoSpray(プロト・スプレー)とは、曲面を含むあらゆる形状のタッチディスプレイを製造できる技術。3Dプリンティングとスプレーコーティングを組み合わせることで、従来の平面ディスプレイでは作るのが難しい複雑な形状も自由に編み出すことができる。将来的には、ProtoSprayがインクやペンキ、粘土のように身近な素材となって生活空間のあらゆる造形物に溶け込むことが期待されている。

ProtoSprayは、ヒューマンコンピュータインタラクション(Human-Computer Interaction; HCI)分野のトップレベル国際会議CHIにて、特別賞を受賞した。

なぜできるのか?

ディスプレイ形状の制限をなくす3DプリンティングとELスプレー

ProtoSprayは、導電部分と絶縁部分を組み合わせた素材をベースに3Dプリントしたオブジェクト(元となる形状とベース電極)の表面に、通電すると光るEL塗料(エレクトロ・ルミネセンス)をスプレー塗布によって定着させる。これによって発光層と誘電体が電極で挟まれる構造となり、平面や球面はもちろん、メビウスの輪や腕時計などの不規則な形状に対しても誘電性を与えられるようになる。

自動化と大量生産化の計画

ProtoSprayのスプレーノズルを一般的な3Dプリンターに組み込み、製造工程を自動化することも検討されている。スプレーの方向、幾何学的形状、解像度などの条件を最適化する必要はあるが、自動化が実現すれば、情報表示やタッチ検出のできる自由な形状のオブジェクトを人の手を介さずに大量に作られるようになると予想されている。

相性のいい分野

ライフスタイル
知財番号No.32「LumiLor(ルミロール)」との組み合わせによる、さらなるカラーバリエーションが嬉しい家庭用ディスプレイ
アート
知財番号No.2「浮像(うくぞう)」との組み合わせによる、光る岩壁マッピング
コミュニケーション
巻き取り式で持ち運びやすい液晶ポスターパネル
インテリア
全方位が半球状ディスプレイになっているモニタールーム

知財情報

主な知財ホルダー: ブリストル大学、MITコンピュータ科学・人工知能研究所、バース大学

この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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知財ハンター

荻野 靖洋 Yasuhiro Ogino
Technical Director / Konel Inc.

1985年静岡県生まれ。幼少期から高校生までをアムステルダムで過ごす。フリーランスエンジニアとして活動する傍らで、Konelを共同創業し、WEB/インスタレーション/AI/ロボットなど幅広い技術分野の開発・ディレクションを手がける。宇宙・食・脳波など、まだまだ未開拓なテクノロジーに関心がある。 誰にも仕組みがわからない物を作りたいと考えている。


知財ライティング: 小髙充弘