No. 304 長距離からでもスマートフォンとリンクする読み取りコード

XPANDコード

XPANDコード(エクスパンドコード)とは、長距離からでも読み取りが可能な横長スリット形状のバーコードである。一般的なQRコードと同様、標識や看板などに表示されたXPANDコードにスマートフォンをかざすことで、ユーザーは情報を読み取ることができる。最大200メートル程度離れていても読み取りができ、従来の正方形のQRコードとは異なるスリットの形状によって、掲示物の景観に調和しながらもサイズの変動に柔軟なデザインが可能となる。近距離はQRコード、長距離はXPANDコードと使い分けることで、バーコードによる情報拡張がより利便性のある表示ソリューションとして浸透することが期待されている。

なぜできるのか?

QRコードとの差別化

QRコードはユーザーが近距離からの読み取りを行うことを前提としているのに対し、XPANDコードは10cm~200mという広い射程距離でモノとスマートフォンを連携させることができる。そのため、駅のホームや大型スタジアムなど、広大で立体的な公共空間を活用した情報サービスが可能となる。また、XPANDコードは細長いスリット状のバーコード形式のため、看板やディスプレイの表示領域を圧迫せず、デザインや景観と調和しながら拡張情報を提供することができる。

プライバシーのケア

従来のQRコードには、公共空間のポスターやサイネージに近づいて読み取ると、自分の関心事を周囲に悟られてしまうというデメリットがあった。一定距離を保ち、離れたところから読み取れるXPANDコードであれば興味のプライバシーを保護した状態でユーザーがアクセス可能となる。

自動生成サービスの提供

XPANDコードは公式HPから即時発行することができ、無料版では白黒のPNGファイル、有料版ではAdobe Illustrator対応のSVG形式で生成され配色やサイズの変更も可能。ショッピングモールや交通機関など、大量のコード生成が必用な場合に適した企業版も提供されている。

相性のいい分野

生活・文化
大型スタジアムやショッピングセンター、屋外広告などにおける新しい表示ソリューション
メディア・コミュニケーション
大規模な災害や事故などの緊急時における、大勢の群衆に対する正確な情報伝達
流通・モビリティ
駅のホームに設置された表示を読み取ると発着時間がわかるサービス
旅行・観光
街の景観を崩すことなく、歴史や散策ルートがわかる観光案内の看板
アート・エンターテインメント
バーコードをファッションに組み込むことで、読み取ると産地・ブランド情報がわかるデザイン

知財情報

主な知財ホルダー:XPAND株式会社

「XPANDコード」は図形商標としてWIPO(世界知的所有権機関)に国際登録されています。詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。

知財ハンター

荒井 亮 Ryo Arai
編集長 / 知財図鑑

1977年東京都荒川区生まれ。立教大学社会学部産業関係学科卒。クリエイティブ会社にてライブ配信事業のプロデューサーとして番組の企画制作、各種アライアンスやチームビルディングを担当。その後、Konelに所属し「日本橋地下実験場」を中心としたプロジェクトに関わる。聴覚を拡張するプロダクト『PlayEar』の開発や、インターネット世代のポップカルチャー、メディアアート、ペットテック領域に関心がある。


知財ライティング: 中澤智心