No.248
2022.10.14
生ごみを資源化する、完全循環型クラフトビール
reRise beer (リライズビール)
概要
「reRise beer (リライズビール)」とは、これまで廃棄されていた生ごみ残渣を資源化しながら製造する完全循環型のクラフトビール。ビール工場から出るモルトかすや濃度の高い排水を乳酸菌とアミノ酸を主体とした液体肥料に分解して、ビール原料である麦の栽培を行う。従来のビールづくりの課題であった廃棄問題を払拭しながら栽培・醸造・販売のサイクルを実現するサステナ・ブルワリーとして、サーキュラーエコノミーへの貢献が期待されている。
なぜできるのか?
ビールの廃棄ごみを資源化
RISE&WIN Brewing Co.は、ごみゼロの町「上勝町」で展開しているクラフトビール工場に、資源循環システム「reRise(リライズ)」を導入。製造過程で排出される「モルトかす」や「濃度の高い廃液」を乳酸菌を主体とする微生物で遊離アミノ酸に分解して液体肥料を生成、これを肥料にビールの原料である麦を栽培する。自分たちが排出する廃棄物を無駄にすることなく有効活用することで、ごみを資源化するサステナ・ブルワリーを実現している。
24時間で栄養豊富な肥料に
一回のビール仕込みから出てくる1t近くのモルトかすや濃度の高い廃液などは、24時間以内に液体肥料に。分解速度は、ビール以外の一般的な食品残渣であれば24時間以内に液肥化、骨・貝殻・繊維質が固くて強いものも数日で分解する。
肥料の長期保存
乳酸菌を主体とした液肥となるため、pH(ピーエイチ)は3〜4とやや強めの酸性になることで、長期の保存も可能。
甘みの強い作物を栽培
ビールごみから作られた液肥には、生きた状態の乳酸菌と遊離アミノ酸が豊富に含まれており、病気や害虫にも強く、苦味やエグ味の少ない甘みのある作物を育てられる。なお、テスト栽培では、化成肥料100%に比べて糖度・抗酸化力が約1.5倍に、苦味の元である硝酸イオンが約30分の1になった。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
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Top Image : © RISE&WIN Brewing Co.
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