No.888
2024.08.08
自己修復性・タフネス性を実現した新規材料
ウィザードシリーズ
概要
「ウィザードシリーズ」とは、高い再現性と耐久性を持つ自己修復素材。切断しても、切断面を30秒程度接触させるだけで修復・再結合する。「ホストゲスト相互作用」と呼ばれる特殊な分子間力を利用することで、これまでの材料にないタフな力学性能を実現した。シリーズラインナップには、優れた靭性・伸縮性・耐乾燥性を持つ「ウィザードゲル」と、ゴムのような弾性を持つ「ウィザードエラストマー」、樹脂に強靭性や伸縮性、自己修復性を付与する「ウィザードプラス」がある。緩衝材や接着剤、コーティング剤など、さまざまな用途での活用が期待される。
なぜできるのか?
自己修復機能を実現するシクロデキストリン
「ウィザードシリーズ」では、大きな環の分子(ホスト分子)が小さな環の分子(ゲスト分子)を取り込む「ホストゲスト作用」を利用。ホスト分子として糖の化合物であるシクロデキストリンを配合し、高分子鎖の形成を促すことで、優れた自己修復性を実現した。
可逆的架橋が実現する靭性と伸縮性
「ウィザードゲル」は、可逆架橋構造の分子間結合により、加わる力を分散。これにより、刃物で突き刺しても切れない靭性と、10倍以上の長さに伸ばしても切れない伸縮性を実現した。
「ウィザードゲル」の耐乾燥性
従来のハイドロゲルは、乾燥した場合、ゲルに含まれる水分が蒸発することがあった。一方、「ウィザードゲル」は、乾燥防止成分が含まれているため、乾燥しても変形せずに使用できる。
相性のいい産業分野
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。
Top Image : © ユシロ化学工業 株式会社