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2025.05.26
知財ニュース
OpenAI、ソフトウェア開発支援エージェント「Codex」を発表―最新モデル「codex-1」を搭載

OpenAIは5月16日(現地時間)、新たなクラウドベースのソフトウェア開発支援エージェント「Codex」を発表した。有料プラン「ChatGPT Pro」ユーザー向けに、米国時間5月16日よりウェブ上で提供されている。
Codexは、ソフトウェア開発に特化して最適化されたOpenAIの最新モデル「codex-1」を搭載。ChatGPTのインターフェースから簡単にアクセスでき、ユーザーが指示を出すだけで、新しいコードの作成、既存コードに関する質問への回答、厄介なバグの修正、さらにはレビュー用のプルリクエスト作成といった、開発における様々なタスクをこなしていく。
利用者はChatGPTのサイドバーからCodexを起動し、プロンプトを入力して「Code」ボタンをクリックするだけで、新たなコーディング作業をCodexに割り当てることができる。また、「Ask」機能を使えば、自身のコードベースに関する疑問点をCodexに尋ねることも可能。各タスクは、ユーザーのリポジトリが読み込まれた安全なクラウド上のサンドボックス環境で実行され、作業の進行状況はリアルタイムで確認できる。タスクの完了にかかる時間は、1分から30分程度。
Codexは、作業完了時に変更内容をコミットし、ターミナルログやテスト結果などを詳細にレポート。もし途中で不確実な点やテストの失敗に直面した場合は、問題を明確にユーザーへ通知し、適切な判断を下すための情報を提供してくれるという。内部ベンチマークでは、既存の高性能モデルを上回る優れたコーディング能力が示されている。
さらにリポジトリ内に「AGENTS.md」というファイルを設定することで、Codexに対してテストで実行すべきコマンドや、プロジェクト特有のコーディング規約への準拠方法など、より詳細なタスクのガイドラインを指示することも可能。これにより、Codexは人間の開発者のスタイルや好みに近い質の高いコードを生成することができるようになる。
セキュリティ面にも配慮。マルウェアなど悪意のあるソフトウェアの開発を目的としたリクエストは、Codexが自動的に識別し、拒否する仕組みになっている。
Codexは、まずChatGPT Pro(月額200ドル)、Team、Enterpriseの各プランのユーザー向けに順次提供が開始され、近日中にPlusおよびEduプランへの対応も予定。ソフトウェア開発の効率を飛躍的に向上させる可能性を秘めたCodexの登場は、多くの開発者から注目を集めている。
Top Image : © Open AI