News

2023.05.18

知財ニュース

京大発の生物多様性ベンチャーのバイオーム、KDDIや三菱UFJなどから総額3.3億円の資金調達を実施─海外展開へ

BIOME

生物多様性ビッグデータを運営する株式会社バイオームは、シリーズBラウンドとして総額3.3億円の資金調達を実施したことを発表した。今回の調達により、累計資金調達額は5.2億円となった。

d44108-50-fccb182d4459ff0265ec-0

同社は、「生物多様性の保全を社会の当然に」をミッションに、2017年5月に設立された京都のベンチャー企業。いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」の開発・運営を中心に生物多様性情報に特化した事業を展開しており、2018年経済産業省「J-Startup」認定ほか、多数の認定・受賞実績がある。

d44108-50-bd7b68f4758d7e947e30-1

なお、今回の資金調達は、以下の3つを目的としている。

1.いきものコレクションアプリ「Biome」の大幅強化
スマートフォンアプリ「Biome」の開発・運営体制を大幅に強化し、ベース機能の向上・新機能の開発を加速。名前判定AIの精度向上、図鑑内容・見分け方コンテンツの充実、投稿の利便性向上、新たなユーザー体験の構築など、新しい体験の提案を充実させ、いきものアプリの決定版と言われるよう、より良いサービスをより早く届ける体制づくりを徹底する。

2.企業・行政・団体・研究機関向けサービスの充実
同社は、これまで生物多様性を脅かす「4つの危機」に対処するためのサービスパッケージを企業・行政・団体・研究機関向けに提供してきた。関連サービスの「BiomeViewer(バイオームビューア)」、「BiomeSurvey(バイオームサーベイ)」β版を正式版としてリリースし、事業者のTNFDの支援、OECMや自然共生サイト認定支援、CSR・CSV活動、金融機関・コンサルティング業による評価などに貢献するサービスパッケージを拡充。多くのクライアントにより良いサービスを提供し、生物多様性の主流化を加速させる。

3.事業拡大のための海外展開
2030年に向けた自然環境や生態系の保全における世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」の採択により、今後、さらなる加速が予想される生物多様性保全だが、こういった枠組の達成を後押しするサービスは世界中を見渡しても非常に少ない現状がある。同社はこれを大きなビジネスチャンスと捉え、国内市場のみにとどまらず、既存のサービスの多言語対応や海外向け新アプリのリリースなどを通じて、世界でのプレゼンス向上に注力する。

同社代表取締役の藤木庄五郎氏は、「今回の資金調達はバイオームのサービスをより一層充実させるとともに、国を越えて名前を知ってもらえる非常に大きなチャンス。これまで以上のスピード感で発展に注力し、生物多様性で世界をリードする存在に成長していく」としている。

■ラウンドに参加した投資家

《出資》

〈既存投資家の追加投資〉
・株式会社Kips(The Independents Angel投資事業有限責任組合、The Independents Angel2号投資事業有限責任組合)
・みずほキャピタル株式会社(みずほ成長支援第4号投資事業有限責任組合)
・株式会社京信ソーシャルキャピタル/フューチャーベンチャーキャピタル株式会社(京信イノベーションC2号投資事業有限責任組合)
・フューチャーベンチャーキャピタル株式会社(京都市スタートアップ支援2号投資事業有限責任組合)
・中信ベンチャーキャピタル株式会社(中信ベンチャー・投資ファンド6号投資事業有限責任組合)

〈新規投資家〉
・鎌倉投信株式会社(創発の莟1号投資事業有限責任組合)
・KDDI Green Partners投資事業有限責任組合(運営:SBIインベストメント株式会社)
・三菱UFJキャピタル株式会社(三菱UFJキャピタル8号投資事業有限責任組合)
・日揮みらい投資事業有限責任組合(運営:グローバル・ブレイン株式会社)
・京銀リース・キャピタル株式会社(京銀輝く未来応援ファンド3号forSDGs投資事業有限責任組合)
・京都エンジェルファンド株式会社(京大創業ベンチャー投資事業有限責任組合)

《融資》

・株式会社日本政策金融公庫(融資制度「新型コロナウィルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付」)

■会社情報

所 在 地:京都府京都市下京区中堂寺南町134番 ASTEMビル8階
代表取締役:藤木 庄五郎 
資 本 金:206,330千円
創   業:2017年5月31日

プレスリリースはこちら

株式会社 バイオーム 公式サイト

Top Image : © Biofire Technologies

広告