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2024.04.24
知財ニュース
ブリヂストン、ゴム人工筋肉の「やわらかいロボット」で新感覚体験『Morph inn』を表参道で開催
ブリヂストンの社内ベンチャーであるブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズと、クリエイター集団 Konelは、ソフトロボティクスで未来体験を提供する共創プロジェクトを立ち上げた。
プロジェクトでは、ゴム人工筋肉を用いたやわらかいロボット「Morph(モーフ)」を開発。2024年4月23日には、「Morph」を核とした無目的室「Morph inn」(モーフ イン)の開業を発表した。「Morph inn」では、やわらかいロボットに身をゆだねて、忙しい日常の中で持ちづらい無目的な時間を過ごせる空間を提供する。東京都表参道の「seeen」にて、2024年5月17日~25日までの開催を予定している。
エントランス 1F
メインスペース B1F
「Morph」には、ブリヂストンが手がけるゴム人工筋肉「ラバーアクチュエーター」を用いている。ラバーアクチュエーターは、同社のゴム素材研究やタイヤ・油圧ホースの技術を活用したプロダクトで、ゴムチューブと高強度繊維のスリーブで構成。ゴムチューブに空気や油などを注入し圧力を加えて膨張させることで、人の筋肉のように収縮させる。人の指のように柔らかくモノをつかめるため、産業用ロボットハンドなどに活用できる。
ブリヂストンではこれまでも、パートナーとの共創などでソフトロボティクス事業のビジネスモデルを探ってきた。ただこれまで活躍の場は工場や物流倉庫などがメインだったため、ソフトロボティクスの領域を拡張する今回のプロジェクトを開始。キーワードを「人とロボットとの歩み寄り」 ―人とロボットが互いを信頼しゆだね合う体験にある― として、その未来の具現化を試みる。
ソフトロボットハンド「TETOTE」
国際的なデザイン賞「iFデザインアワード2023」金賞を受賞した、ソフトロボットハンドのコンセプトモデル「Dialogue」
今回開発した「Morph」には、生物の胎動や呼吸、潮の満ち引きなどのモーションデータをインストールしており、自然界の営みに応じてゴム人工筋肉が有機的に動作する。映像や動きをセンシングして特徴点を抽出し、制御データに変換するシステムを独自開発して用いた。自然界のモーションにもとづいて動く「Morph」は、生物ともロボットとも異なる「Morph」ならではの息遣いが感じられるという。
「Morph inn」のメインスペースでは、「Morph」に横たわり、さらに小さな「Morph」を抱きかかえて、やわらかいロボットに身をゆだねる体験ができる。体験は予約制。“無目的室”として、目的から解放され、ソーシャルメディアからも離れて、ありのままの自分でただロボットに身体をゆだねる時間を提供する。
本プロジェクトには現在、東レやTengun-labelといった複数企業がパートナーとして参画。従来のロボットの枠にとらわれず、より良い未来に向けてバックキャストで活動を推進すべく、さらなる共創パートナーを募集している。
「Morph inn」概要
■開催概要 ※抜粋
会期:2024年5月17日(金)〜5月25日(土)
開場時間:11:00 - 19:00
会場:seeen 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-13-12(表参道駅A2出口から徒歩3分)
Webサイト:無目的室「Morph inn」
公式X(旧Twitter):@Morph__inn
「Morph」体験・公式予約フォーム*Morphの体験には予約が必要です。1Fへの入場のみの場合は予約不要です。
*Morphの体験は、17:45までとなります。
*14:00-15:00の1時間は、メンテナンスのため閉場予定です。
*18:00-19:00の1時間は、全てのフロアを見学いただけます。
*メンテナンス時間は状況により変動する場合があります。(最新情報はXにて発信いたします)
■記念トークセッション 《ソフトロボットが導く未来の輪郭》
オープニングを記念して、会期前日(5月16日)にロボティクス分野の挑戦者と有識者を交えたトークセッションを開催します。トークセッションはZoomにてオンライン配信となりますので、観覧希望者は下記リンクよりお申し込みください。
トークセッション申し込みフォーム
スピーカー:
・山口 周 (ライプニッツ 代表取締役/独立研究者/著作家/パブリックスピーカー)
・山口 真広 (ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズ 創業メンバー/主幹)
・安藤 健 (パナソニックHDロボティクス推進室室長)
モデレーター:
・出村光世 (Konel/知財図鑑 クリエイティブディレクター/CEO)
Top Image : © Konel