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2022.06.07

知財ニュース

伊藤園と富士通が共同開発─AI画像解析で茶葉の収穫時期を判断

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伊藤園と富士通は、AI画像解析により茶葉(茶芽)の摘採時期を判断する技術を共同で開発。伊藤園の展開する茶産地育成事業の契約産地にて試験運用を開始する。

本技術は、伊藤園の茶栽培に関する知見と富士通鹿児島インフォネットの画像解析技術、富士通のAIの機械学習を組み合わせて共同開発した画像認識アルゴリズムにより、スマートフォンで撮影した摘採前の茶葉の画像をクラウド上でAI解析し、摘採時期の判断指標となるアミノ酸量や繊維量を推定し、摘採時期を簡便に判断するものだ。

開発に際し、およそ2年をかけ契約産地の一部で撮影した約4,000枚の茶葉の画像をもとに、色味調整など加工を施した合計約8,500枚の画像を用いてAI学習を行なった。2022年の新茶摘採から本技術の試験運用を開始し、画像認識アルゴリズムの正確性や実用性を検証、2023年からは契約産地での本格展開を目指す。

本来、茶葉の摘採時期の見極めには、生産者の長年の経験から得られるノウハウ、または茶葉を採取・乾燥・粉砕のうえ専用機器でで分析して見極める方法が一般的であるが、茶生産者の後継者育成や新規参入への大きなハードルとなっている課題が残る。本取り組みは、茶をはじめとした農業の課題である生産者の高齢化や後継者不足に対し、茶農業への新規参入の障壁となるこれらを解決し、茶農業の生産力向上と持続性を両立することを目的としている。

伊藤園と富士通は今回の取り組みにおいて開発した技術をはじめ、今後も安心・安全で高品質な緑茶原料の安定調達と茶生産者の労務負担軽減や品質の向上に寄与する技術開発などにより、日本農業が抱える課題に対して支援・解決できる技術を開発し、「持続可能な農業」の推進に貢献していくとのことだ。

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