News

2024.10.25

知財ニュース

NASA、月面での標準時「協定月時間(LTC)」の策定へ

20241020 05

ホワイトハウスは4月、NASAに「協定月時間:月面での標準時間(LTC)」の策定を指示し、NASAは米国政府の利害関係者、パートナー、国際標準化団体と連携して、協定月時刻(LTC)を確立する予定だとしている。

20241020 05

月の時刻は、科学者が地球の世界的に認められている協定世界時(UTC)を計算する方法と同様に、月にある原子時計の加重平均によって決定される。現在の分析では、月面に設置された原子時計は1日あたり100万分の1秒であるマイクロ秒単位で「時を刻む」ように見えるため、月の正確な位置はまだ決定されていないのだという。NASAとそのパートナーは現在、月時刻を確立するためにどの数学モデルが最適かを研究しているとのこと。

これらの数字をわかりやすく説明すると、ハチドリの羽は1秒間に約50回羽ばたく。1回の羽ばたきは約0.02秒、つまり20,000マイクロ秒だ。56マイクロ秒はごくわずかな時間のように思えるかもしれないが、宇宙の距離の場合は、わずかな時間でも積み重なっていく。

NASAの宇宙通信運用とナビゲーションの事務局として機能する宇宙通信航法 (SCaN)プログラムが、協定時刻の作成に向けた取り組みを主導。NASAのSCaNプログラムの一部である月面中継開発のナビゲーションリーダーであるベン・アッシュマン博士は、「時間の定義を共有することは、安全で回復力があり、持続可能な運用の重要な部分です」と述べている。

NASAのアルテミス計画が月とその周辺での持続的な存在を確立する準備を進める中、SCaNチームは、重大な時差が将来の探査者の安全に影響を及ぼさないよう、月の時間基準を確立するとしている。この協定時刻のアプローチは、火星や太陽系全体の他の天体にも拡張可能であり、これが確率すれば長期間の探査が可能になるとしている。

ニュースリリースはこちら

Top Image : © NASA

この記事のタグ

広告