News

2025.03.19

知財ニュース

テキサス大学、破棄された自然素材から作られた素材で空気中から水を生成できる「分子機能化バイオマスハイドロゲル」を開発

texas 01

テキサス大学オースティン校の研究者らが、空気中から飲料水を作り出すことができる「分子機能化バイオマスハイドロゲル」を開発した。

2023 ME Yu-Guihua-Lab-135 2

texas 01

「分子機能化バイオマスハイドロゲル」は、廃棄された食べ物の残り、落ちた枝、貝殻、その他多くの自然素材で作られた吸着剤だ。この吸着剤に空気中から水分を吸収させ、穏やかな熱で、飲料水として採取することができる。

実験室環境の条件下では、吸着剤1キログラムあたり1日で約14.19リットルのきれいな水を生成した。従来の吸着剤は、1キログラムあたり1日で生成できる水の量が1~5リットル程度にとどまっている。

既存の合成吸着剤は、石油化学製品が使用され、一般的に大量のエネルギーを必要とする。今回開発された吸着剤「分子機能化バイオマスハイドロゲル」は、生分解性があり、拡張可能で、水を放出するのに最小限のエネルギーしか必要としない。これが可能となる理由は、セルロース、デンプン、キトサンなどのバイオマスベースの多糖類に吸湿性と熱応答性を付与する2段階の分子工学プロセスにあるのだという。

研究チームのWeixin Guan氏は、「きれいな水へのアクセスは、シンプルかつ持続可能で、規模拡張も容易であるべきです。この材料は自然界で最も豊富な資源を活用し、どこでも空気から水を作り出す方法を提供します。」と述べている。

研究チームは現在、生産の拡大と、携帯型集水装置、自立水利システム、緊急用飲料水供給装置など、商業化に向けた実際の装置システムの設計に取り組んでいる。

ニュースリリースはこちら

Top Image : © テキサス大学 オースティン校

広告