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2022.02.14
知財ニュース
ソニー・ミュージック、ボブ・ディランの全楽曲権利を取得

ソニーグループ傘下の米ソニー・ミュージックエンタテインメントは現地時間1月24日、ミュージシャンでノーベル文学賞を受賞したボブ・ディラン氏の1962年のデビュー以降録音した全楽曲と、今後つくる曲の原盤権をソニーが取得したと発表した。「風に吹かれて」「ライク・ア・ローリング・ストーン」を含む数百曲分で、ソニーは今後出版物や音楽配信サービスから収益を得られる。
ボブ・ディラン氏は1962年に現在ソニー傘下のコロンビア・レコードからデビュー。全世界アルバム・トータル・セールスは1億2500万枚を超え、過去11度のグラミー賞受賞、2016年にノーベル文学賞の授賞や、いくつもの大学で博士号などを多数受賞している。ボブ・ディラン氏は2020年に全楽曲の著作権を米ユニバーサル・ミュージック・グループに売却したが、今回ソニーが取得したのは音源の複製や販売を管轄する原盤権で、著作権とは異なる。
契約は2021年7月に結んだ。譲渡額は非公表だが、海外メディアは最大2億ドル(約230億円)と推定。ボブ・ディラン氏は、ソニー社を通じて「全ての原盤があるべき場所にあり続けられることをうれしく思う」とコメントしている。
近年、音楽ストリーミングサービスの拡大を背景に、ストリーミングサービスから収益機会を得ようとする投資家や音楽会社に、アーティストが楽曲権利を売却する動きが続いている。楽曲の権利は、音楽配信サービスで過去のヒット曲でも安定的な収益につながりやすく、高値で売買されている。
過去にもワーナー・ミュージック・グループはデビッド・ボウイ氏の全楽曲の権利を取得。ソニーも21年にブルース・スプリングスティーン氏やポール・サイモン氏など著名ミュージシャンの楽曲の権利を取得している。
Top Image : © Sony Music Entertainment