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2024.12.26
知財ニュース
人類初、日本酒「獺祭」を宇宙で発酵―国際宇宙ステーション「きぼう」で醸造プロジェクト、2025年後半予定
日本酒「獺祭」の蔵元である旭酒造株式会社は、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟内での日本酒醸造計画を発表した。
2025年後半の実施を目指し、人類初の宇宙空間での酒造りに挑む。米(山田錦)、麹、酵母などをISSへ送り、月面を想定した低重力環境下で醸造試験を実施する予定だ。
同計画は、2040年代に想定される人類の月面移住の実現を見据え、月での生活に彩りを与える存在として日本酒に着目したことがきっかけ。原料の米はブドウより軽く、輸送の観点から有利であり、将来は月で得られる水を利用した月面醸造も視野に入れているという。
宇宙で醸造された日本酒は「獺祭 MOON - 宇宙醸造」と名付けられ、100ml入りのボトル1本に瓶詰めし、希望小売価格1億円で販売予定。売上は全額、その後の日本の宇宙開発事業に寄付される。販売方法は後日発表予定。
「きぼう」内の人工重力発生装置を用いて月面重力を再現し、日本酒醸造における重要な「並行複発酵」現象の検証も実施する予定。宇宙空間での日本酒醸造の実現性を探るとともに、新たな知見の獲得も期待されている。
Top Image : © 旭酒造 株式会社