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2021.03.22

知財ニュース

SDGsの達成を目指すビジネスプランコンテスト「みんなの夢AWARD11」—グランプリ・準グランプリが決定

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生活や働き方が大きく変革するいま、これまでの想像・発想を超える「夢」を持った次世代の起業家を創出するアワード「みんなの夢AWARD11」が3月4日に開催され、ファイナリスト6名の中からグランプリ・準グランプリが各1名選ばれました。

アワードの対象者は「若手起業家」「中小企業経営者」「事業継承者」「起業家予備軍」、主な審査基準は「①情熱・着眼点・社会性」「②事業性」の大きく二つ。また、SDGsの達成に寄与するビジネスプランであるかどうかも審査対象となります。

ファイナリストへは、ビジネスマッチングのバックアップが行われ、一般社団法人ソーシャルビジネス・ドリームパートナーズ(SBDP)から最大2,000万円の出資交渉権・協賛企業からの支援が可能になります。

「みんなの夢AWARD」とSDGs

過去のAWARD受賞者のビジネスプランは、「開発途上国の貧困撲滅」「開発途上国の教育支援」「開発途上国の飲料水支援」「シングルマザー支援」「障がい者支援」「社会的弱者の社会参加支援」「地方創生」など。すべて『SDGs(持続可能な開発目標)』の目標達成に直接的に関わるものです。今回開催された「みんなの夢AWARD11」でも、『SDGs』の達成に寄与するビジネスプランが多く集まりました。

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【グランプリ】夏目シンゴさん

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<実現したい夢>
『湘南・鎌倉ぶどうの里』の実現(鎌倉版CCRC構想)
<達成したい目標>
「住み続けられる街づくりを」
<目指す5年後の肩書き>
鎌倉わいん株式会社CEO

メーカー勤務の傍ら3,800本のワイン用のぶどうの木を栽培している夏目シンゴさんが掲げるミッションは、「ぶどう栽培・ワイン造りを通じて、あらゆる世代を幸せにする」こと。日本有数の観光地「鎌倉」で、水田・野菜栽培に適さない農地をぶどう畑として再生。収穫したぶどうをワイナリーで醸造し、神奈川県鎌倉産ぶどうを100%使った『鎌倉ワイン』を製造・販売することで、地域農業の持続性と活性化に貢献しています。

さらに、ぶどう栽培・ワイン造りを通して地域住⺠が交流する場を作ることで、子どもや若い世代からシニア世代までが深く結びつき、地域住⺠だけでなく、移住者も安全で安心して健康⻑寿を伸ばすことができる鎌倉版CCRC(ContinuingCareRetirementCommunity)の実現を目指します。

【準グランプリ】谷本和考さん

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<実現したい夢>
技術で世界中の人を笑顔に・子どもたちに安全な水を贈る
<達成したい目標>
「安全な水とトイレを世界中に」
<5年後の肩書き>
世界中を笑顔に変えていく企業の社⻑

創業74年目を迎える製造会社の5代目社⻑である谷本さんのミッションは、「技術で新しい価値を生み、世界中を笑顔に変える」ことです。安全な水が飲めないため、発展途上国の子どもたちが毎日数百人も亡くなっているという事実を知った谷本さんは父親から引き継いだ家業の技術を活かし、遠心分離を用いて異次元の速さで水を洗浄することができる新型ろ過装置「CLEARINO」を開発しました。コンパクトで安価なため、流通しやすいのが特徴です。

まずは日本国内で普及させ、将来的には安全な水が飲めずに困っている世界中の人々を救うことを目指します。古くから伝わる技術を活かして子どもたちの命と未来を守る、大きなプロジェクトになることが期待できます。

加藤路瑛さん(ファイナリスト)

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<実現したい夢>
五感にやさしい社会を世界中に(感覚のダイバーシティー)
<達成したい目標>
「すべての人に健康と福祉を」
<目指す5年後の肩書き>
感覚の研究者

12歳の時に親子起業という形式で起業し、株式会社クリスタルロードを立ち上げた中学3年生の起業家です。

加藤さんの掲げるミッションは、「感覚過敏の人が暮らしやすい社会をつくる」こと。理解されることが難しい感覚過敏の問題に取り組み続ける加藤さんは、過去に肌に触れずに会話ができる新感覚マスクせんすマスクを開発しています。

感覚過敏の問題は五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)にわたり、それぞれの解決に取り組むためには、1つのサービスを打ち出すことはできません。そのため、当面は日常生活での困りごとを解決する商品やサービスを企画・提供しつつ、「五感にやさしい街づくり」を自治体や企業の協力のもとに進めていく計画とのことです。

官野一彦さん(ファイナリスト)

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<実現したい夢>
障がい者アスリートがパラリンピックを目指せる環境をつくる
<達成したい目標>
「人や国の不平等をなくそう」
<目指す5年後の肩書き>
パラリンピックの登⻯門、障がい者将来設計所

車いすラグビー元日本代表で、ロンドンパラリンピック・リオデジャネイロパラリンピックに出場。リオデジャネイロパラリンピックでは銅メダルを獲得した経験を持つ官野さん。2020年3月末で競技引退を発表し、4月1日にTAG CYCLE株式会社を立ち上げ、「障害を持つ方の幸せが社会を幸せにする」ことを理念として障がい者住宅や保険・福祉車両・キャリア育成などの、障がい者が抱える問題に対してコンサルタント業を行っています。

同年12月には、障がい者アスリートが気兼ねなくトレーニングを行えるジムをオープンし、パラリンピックに出場できる選手の育成に貢献しています。こちらのトレーニングジムは健常者も利用できることから、ダイバーシティ&インクリュージョンを実現・体現する場所と言えるでしょう。

トレーニングの内容等をサポートすることを始め、障がい者ライフクリエーターとして相談事業も行うとのこと。セカンドキャリア相談、保険、財産運用、住宅相談、福祉車両など、障がい者の抱える問題や悩みを解決していきたいと話します。

鶴賀奈穂乃さん(ファイナリスト)

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<実現したい夢>
「ママのスキマ起業」を当たり前に!
<達成したい目標>
「ジェンダー平等を実現しよう」
<目指す5年後の肩書き>
TEDスピーカー/講演家

ママのスキマ起業サポートコミュニティ「UKA」プレジデントである鶴賀さんが掲げるミッションは、家族に応援されながら好きなことを仕事にする「ママのスキマ起業」をサポートし、『ママがハッピーだから子どもも元気な世界』をつくること。

第一子出産をピークに、女性の幸福度は下がり続けると言われています。つまり、子どもたちはママの不幸な姿を見て育つということ。このような事態を受け、UKAが提供したいサービスは主に2つです。1つは、ママがスキマ時間を活かして、家族に応援されながら起業するためのビジネススキルとマインドを学ぶ機会を提供すること。もう1つは、資格や特技を生かして自宅サロンや教室、ショップをオープンしたママたちが、お互いに潜在顧客を紹介しあい、助け合うママ起業家のネットワークを世界中に広げることです。

ママがスキルを活かして社会に貢献する姿を見せることで、子どもたちの自己肯定感が高まり、より豊かな世界になることを目指します。

山崎周一さん(ファイナリスト)

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<実現したい夢>
コーヒーかすを循環、都市と地方を繋げ、地方産業を活性化させる
<達成したい目標>
「つくる責任・つかう責任」
<5年後の目指す肩書き>
バイオマス事業部を法人化役員へ

昨今のプラスチックによる環境汚染を解決するために、福井県に本社を置く株式会社三和商会バイオマス事業部にて、これまで捨てられてきた廃棄物を資源として再活用したバイオマスプラスチックを製造している山崎さん。たまごの殻やもみ殻など、国内で調達可能なバイオマス素材をプラスチック素材に混ぜることで、石化由来プラスチックの使用削減・CO2の削減を目指しています。

山崎さんが掲げるミッションは、「廃棄物であるコーヒー残渣を都市部コーヒー店から回収。地元企業と連携して価値ある商品に生まれ変わらせ、店頭での販売を行い、福井県の地場産業を活気づける」こと。コーヒーかすを循環させることで、消費の多い都市と、再資源化するための豊かな産業のある地方をつなぎ、環境問題の解決、地方の産業、文化の交流に貢献します。

どのプレゼンテーションも、SDGsの課題解決につながる、大きな“夢”を感じるビジネスモデルですね。実際のコンテストの様子が気になる方は、ぜひアーカイブ動画をご覧ください。

また、当日は2022年3月に「みんなの夢AWARD12」が開催されることが発表されました。「新しい夢に挑みたい」「世界の困っている人々の力になりたい」「よりよい未来のために貢献したい」という方は、参加してみてはいかがでしょうか。

 

ニュース原文はこちら

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