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2023.01.11

知財ニュース

日本初、ホタテ貝殻からできた環境配慮型ヘルメット 「HOTAMET(ホタメット)」が販売─新素材「カラスチック」を採用

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甲子化学工業株式会社と北海道猿払村は、日本初となるホタテの貝殻からできた環境配慮型ヘルメット「HOTAMET(ホタメット)」(企画・開発:株式会社TBWA HAKUHODO)を発表した。2022年12月14日から応援購入サイトMakuakeにて「HOTAMET」の先行予約販売を開始している。

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「HOTAMET」では、炭酸カルシウムであるホタテ貝殻とリサイクルプラスチックをベースに開発された新素材「カラスチック」を採用。本素材は、甲子化学工業株式会社が大阪大学と共同開発したもので、新品のプラスチックに比べ約50%、石灰岩由来のエコプラスチックに比較して約20%のCO2削減に寄与できる。また、ホタテ貝殻をプラスチックに混ぜ込むことで、強度が約33%向上したとのこと。

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形状はホタテ貝の構造を模倣した特殊なリブ構造を取り入れた。少ない素材使用量ながら、リブ構造が無い場合と比較して約30%も耐久性を向上しており、素材開発から設計まで環境への負担が少ないプロダクトになっている。海にまつわる5つのカラータイプがあり、防災用、作業用、自転車での通勤通学用など、さまざまな用途で使用できる。

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国内有数のホタテの生産地として知られる猿払村。しかし、同村のある宗谷地区では、水産系廃棄物としてホタテの貝殻の廃棄が年間約4万トンも発生している。また、2021年には、再利用を目的とした貝殻の国外輸出が途絶え、地上保管による環境への影響や堆積場所の確保などが地域課題となっている。そこで株式会社TBWA HAKUHODOと甲子化学工業株式会社は、ホタテ貝殻の再利用に着手した。

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なお、「HOTAMET」開発の背景には、「外敵から身を守る」貝殻をもとに、危険と隣り合わせのホタテ漁師の安全を守りたいとの村民の思いがある。大型地震や大雨・雪害など、災害リスクが高まる北海道。同村では、ホタテ漁師だけでなく、村民の身を守る防災ヘルメットとしても活用してほしいとしている。

「HOTAMET(ホタメット)」公式サイト

ニュースリリース(TBWA HAKUHODO)

ニュースリリース(株式会社quantum)

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Top Image : © 甲子化学工業 株式会社

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