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2025.07.14
知財ニュース
イスラエルの研究チーム、鼻呼吸のパターンから96.8%の精度で個人の識別が可能と発表

イスラエルのワイツマン科学研究所などの研究チームは、実験により、鼻呼吸のパターンから96.8%の精度で個人の識別ができることがわかったと報告した。
呼吸は単純なプロセスのように見えるが、長期的な呼吸パターンは、驚くほど複雑な脳ネットワークによって生成されているのだという。研究チームは、脳はそれぞれ異なるため、それに依存する鼻呼吸パターンも同様に異なる可能性があるという仮説を立てた。この仮説を検証するために、最大24時間にわたり、左右の鼻孔の鼻腔気流を個別に正確に測定・記録するウェアラブルデバイス「Nasal Holter」を開発し、鼻呼吸で個人の識別することが可能なのか実験を行った。
鼻呼吸を測定する装置「Nasal Holter」は、医療用両面粘着テープを使用して首の後ろに貼り付け、左右の鼻孔にチューブで接続し、24時間連続で記録する。
実験では、このデバイスを使用して100人の健康な被験者の鼻腔気流を24時間連続で測定した。呼吸の抽出には呼吸の解析手法「BreathMetrics」を使用した。その結果、鼻呼吸のパターンのみから96.8%という驚異的な精度で個人の識別ができることが分かった。さらに、再テストの実験では、長期間にわたって安定していたとのこと。
さらに、覚醒レベルやBMI、抑うつ、不安レベル、行動傾向などの認知特性について、重要な指標を提供することも分かった。
Top Image : © Weizmann Institute of Science