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2025.05.09
知財ニュース
YKK、ファスナー開閉を遠隔操作できる「自走式ファスナー」を開発

YKK株式会社は、テント用をはじめとする産業資材向けにファスナーの開閉を遠隔操作できる「自走式ファスナー」を開発中だと発表した。
「自走式ファスナー」は、歯車とモーターを内蔵した自走ユニットをファスナーに後付けし、有線方式のコントローラーで操作することで、遠隔でファスナーの開閉が可能。
高所作業など過酷な場面でも、ファスナーは人の手によって開閉しなければならない。産業分野のファスナー開閉作業においては安全面における配慮が必要で、作業は熟練者に頼る必要があり、作業時間もかかっていた。
「自走式ファスナー」は、歯車とモーターを内蔵した自走ユニットをファスナーに後付けし、有線方式のコントローラーで操作することで、遠隔でファスナーの開閉をすることができる。同社は、このファスナーはこれらの課題を解決する商品になりうると考えている。
また、同社は太陽工業株式会社と協働し、2025年2月に太陽工業の枚方工場でファスナー試作機の実証試験も行った。
屋外実験では、5メートルの膜の中心に自走式ファスナーが取り付けられた。膜が分離した状態で上から吊るし自走式ファスナーのスイッチを入れると、約40秒で5メートルの膜がつながり、実験は成功した。
また、別の屋内実験では、幅4m×奥行4m×高さ2.5mのエアーテント「マク・クイックシェルター」2基の連結部に自走式ファスナーを取り付けた。自走式ファスナーのスイッチを入れると、人では届かない天井部を含めて、2張りのテントが約50秒でつながり、こちらも実験成功した。
YKKは、今後、実証試験で得た知見を活かし、実用化に向けて開発を進めていくとしている。
Top Image : © YKK 株式会社