News

2025.03.14

知財ニュース

日産、電気自動車の音で野生動物との接触事故を防ぐ「ANIMALERT」プロジェクト―奄美大島で始動

animalert01

株式会社TBWA HAKUHODOは、日産自動車によるクルマと野生生物の接触事故(ロードキル)ゼロを目指すプロジェクト「NISSAN ANIMALERT(日産アニマラート)」を日産と共同で企画・発足した。3月3日の「世界野生生物の日」に合わせて、日産自動車公式YouTubeチャンネルおよび各公式SNSにてプロジェクトムービーとインタビュームービーを公開した。

国土交通省によると、2022年度には直轄国道で7万件、高速道路では5.1万件のロードキルが発生している。イヌ・ネコ(29%)、タヌキ(28%)、鳥類(11%)、シカ(8%) など、さまざまな種類の動物がロードキルに遭う状況が続いており、国土の約7割を森林が占める日本において、その地域ごとに生息する野生生物とクルマとの共存は重要なテーマになっている。

animalert02

TBWA HAKUHODOは、これまでも、クルマに乗る前にボンネットなどを叩いてエンジンルームやタイヤの隙間などに潜む猫を外に追い出し保護する「#猫バンバン」の企画・プロデュースなど、日産自動車の動物愛護に関する活動を支えてきた。

今回の「NISSAN ANIMALERT」では、日産が2010年12月に世界初のEV量産車「日産リーフ」に標準装備して国際規則制定にも貢献してきた《接近通報音》の技術に着目。歩行者に車の接近を知らせる電気自動車の車両接近通報装置の仕組みから着想し、動物に合わせた周波数を発する装置を導入することで、クルマと野生生物の接触事故(ロードキル)ゼロを目指す。

その第1弾として、鹿児島県奄美大島と徳之島にのみ生息する日本固有種で、絶滅危惧IB類(近い将来に絶滅の危険性が高い種)に指定されているアマミノクロウサギの保護を目指すとのこと。

2021年に世界自然遺産に登録された奄美大島も、クルマと動物の接触事故が深刻な課題だ。環境省の調査によると、アマミノクロウサギのロードキル件数は7年連続で増加し、2023年には過去最多の147件を記録した。「NISSAN ANIMALERT」は、まずはアマミノクロウサギのロードキル件数の抑制を目指し、将来的には全国各地で発生している野生生物のロードキル問題の解決にも貢献していくことを視野に入れている。

animalert03

実験では奄美大島現地での走行実験に先駆けて、高周波音の特性分析を日産テクニカルセンターで実施。2024年12月より、テストデバイスを搭載した日産サクラによる走行実験を奄美大島にてスタート。高周波音のスイッチを入れた途端にアマミノクロウサギが逃げ出す様子が確認できた。

animalert04

プレスリリースはこちら

Top Image : © 株式会社 TBWA HAKUHODO



※記事初出時より、記事タイトルを更新しました。訂正してお詫びいたします。

広告