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2021.07.19

知財ニュース

高校生が人工衛星の開発・打上げに挑戦─クラーク記念国際高校・東大・Space BDが教育プロジェクト開始

宇宙教育

北海道に本校を持つ通信制高校のクラーク記念国際高等学校は、高校生による人工衛星開発・打上げ・運用と、宇宙をテーマにした探求学習開発を行う「宇宙教育プロジェクト」を開始すると発表した。プロジェクトは、東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻の中須賀真一教授の指導と、宇宙の産業促進を手掛けるSpace BD株式会社の支援を受け、進めていくという。プロジェクトのアンバサダーには、宇宙飛行士の山崎直子氏が就任した。

宇宙PJみなさん 宇宙教育プロジェクト メンバー


宇宙教育プロジェクトの実施目的は、宇宙視点で様々な課題解決を考え実行できる人材育成につながる、教育プログラムの開発にある。衛星開発・打上げなどを通じて宇宙へ関心を持たせ、生徒メインで進める取組みの中で主体的な課題解決力と非認知能力(測定できない未来をつかむ能力、創造力・やり抜く力など)を育むことを想定している。

実施予定の項目は大きく2つで、高校生による人工衛星「クラーク衛星1号機(仮)」の開発・打上げ・軌道上の衛星運用と、宇宙をテーマにした探求学習プログラム「宇宙探求学(仮)」の開発・実施がある。

衛星 開発予定の人工衛星機


人工衛星は、民間で開発が可能な10㎝角の超小型人工衛星機を使用し、中須賀教授の講義・指導の下、2022年度中の打上げを予定。探求学習プログラムは同教授のアドバイスを受けカリキュラム構築を進め、2023年3月末に完成を目指すという。

宇宙教育プロジェクトではさらに学習を深める手段として、部活動「宇宙探求部」を創設。人工衛星の実開発を担う「衛星開発チーム」・運用を行う「宇宙ミッション実行チーム」・宇宙開発の魅力を社会に伝える「国際広報チーム」と3チームで活動を行う。部員は全国50拠点超のクラーク高校に在籍する生徒が対象で、最大100名程度集める予定だ。

プロジェクト概観 宇宙教育プロジェクト構想のイメージ


プロジェクトアンバサダーに就任した山崎氏は、これまでも宇宙産業の活性化や宇宙教育に尽力。内閣府の宇宙政策委員や、宇宙ビジネスを推進する一般社団法人Space Port Japanの代表理事、宇宙を楽しむコミュニティ「そらビ」のアドバイザーも務めている。本プロジェクトへのメッセージは以下。

山崎 直子飛行士 山崎 直子氏(宇宙教育プロジェクトアンバサダー 宇宙飛行士) 

メッセージ引用: 宇宙へ挑むことは、大変だからこそ、喜びも学びも多いと思います。高校生の皆さんが、宇宙へ大志を抱かれたことを、心から尊敬します。そして、そんな高校生の思いを応援する環境ができたことを嬉しく思います。人工衛星打ち上げを通じて、皆さんが成長されていくことを、心より応援しております。

宇宙教育プロジェクトの進捗は今後、宇宙探求部の国際広報チームが継続的に報告を行う予定という。宇宙に抱かれた高校生の大志は、未来の社会・人類の可能性をますます広げていきそうだ。

プレスリリースはこちら

Top Image : ©学校法人創志学園 クラーク記念国際高等学校

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