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2025.04.14

知財ニュース

三菱地所設計、「空飛ぶクルマ」や「未来都市構想」など新時代のモビリティと都市コンセプトを発表

mipim top

三菱地所設計は、2025年3月11~14日にかけて、フランス・カンヌにて開催された世界最大規模の不動産見本市「MIPIM 2025(不動産プロフェッショナル国際マーケット会議)」に初参加し、「都市・建築・人をつなぎ合わせるツール」として、建物の内外を問わずに人の移動をシームレスなものとする新時代のモビリティ『SMS:Seamless Mobility System』に関する一連の構想を発表した。

mipim 02 MIPIM 2025にて発表する、三菱地所設計 デザインスタジオ 加藤 匠 シニアアーキテクト。

同社は、会場にて『Seamless Mobility System』と題したプレゼンテーションを実施。地上から空中にまで拡張する一連のモビリティの構想と、これにより変容する未来のまち・建築像を紹介。建築設計事務所として、都市開発から個別の建築設計に至る、幅広い知見のもとでの提案力を有することを対外的に示した。

三菱地所設計が2023年度より継続して発表を行ってきた、より自由な都市空間の利用を可能とするモビリティ構想『SMS』は、路上を走行するキックボードや、ビル内外の境界を越えて移動できる小型モビリティ、これを空中にまで展開させたVTOL(垂直離着陸機。都市型の次世代航空交通として注目される「次世代エアモビリティ」「空飛ぶクルマ」)といった一連のモビリティに関する提案だ。

mipim top 2024年に発表したVTOLの構想をさらに拡張し、MIPIM 2025では(左図、左から)1人、2人、4人乗りのeVTOLモデルや、これにより姿を変える「未来のビル」(右図)を提案。 ※1人、2人乗りモデルは欧州における意匠権(欧州共同体意匠)を出願中。4人乗りモデルは、2024年に欧州共同体意匠 DM/235029、日本における意匠登録第1775924号を取得済。

建築設計事務所からのアプローチとして、モビリティそのものの姿を描くだけでなく、「進化したモビリティによる『新たな移動』がインストールされた、未来のまち・建築のあり方」の提案である点が特徴となっている。

同社が提案するVTOLは、プロペラ・キャビン・走行の3つのユニットから構成される、全自動操縦のモジュラー(組み合わせ)型のモビリティシステムだ。離発着ポートと一体で機能し、ポートからポートへの空中移動に限らず、空中と地上への移動をもシームレスにつなぎ合わせる。

mipim 03 2人乗りのVTOL。モジュール(ユニット)の組み合わせで飛行モードと走行モードに変形。

MIPIM 2025では、こうした空中・地上を移動するモビリティよって姿を変える建築と都市の姿を描き出した『SMS』のコンセプトムービーが上映された。

コンセプトムービーの一部は以下となる。

VTOLにより、ビルの「新たな玄関」となる屋上の姿。離発着ポートとして、旅客や荷物の乗降や、VTOLとPodbusのモード転換などが行われる。パーゴラ屋根にはプロペラユニットを懸架しておくことができる。

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空中輸送のために、屋上付近に荷捌きを設置。これにより1階部分の荷捌きや倉庫といったスペースを縮小。よりオープンな都市空間を実現する。

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Podbusを移動させる垂直動線がビルの新たな機能に加わる。従来のエレベータと異なり、1つのリフト(レーン)に複数のパレット(床板)を稼働させることで待ち時間を短縮するシステムを構想。エレベータもまたモビリティのひとつとして、「シームレスであること」を追求した。

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モビリティのビルへの導入によって大きくその構成を変えるオフィスフロアも紹介。地上や上空から各階へと直接アクセスできるようになり、小型搬送ロボットやキックボードのポートが共存する「モビリティハブ空間」が出現。ワーカーの働き方・オフィスでの過ごし方の変化にもつながる。

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VTOLの離発着ポートが屋上や中間階に設けられるほか、モビリティの出入りを可能とするより自由度の高い1階などにより新たな姿へ進化した「未来のビル」とそれにより構成される都市の姿を描き出した。

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Top Image : © 株式会社 三菱地所設計

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