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2025.06.09

知財ニュース

Apple、音響基礎モデルから心拍数を推定する研究論文を発表

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Appleは、機械学習研究において聴診による心拍数推定のための基礎モデルについての研究論文を発表した。この論文では、心拍数を推定する目的ではない音響基礎モデルが、心音聴診から心拍数を推定できるどうか実験を行い、これらの音響基礎モデルから心拍数を推定できることがわかった。

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この研究では、音声表現の自己教師あり学習で事前学習された6つの音響基礎モデルを使用して、心拍数を推定できるかを評価した。これらの基礎モデルは、もともと自動音声認識またはオーディオ言語マルチモーダルタスク用に開発されたものだ。データセットは「CirCor DigiScope Phonocardiogram」から合計約20時間に及ぶ心音図の録音を用いて評価。録音は5秒に分割し、それぞれのモデルに学習させた。

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この実験の結果、これらの音響基礎モデルが従来の手法と同等の性能を提供することが実証された。

特に、Apple社内で開発した音響基礎モデル「CLAP」は、データ分割全体で最も低い平均絶対誤差(MAE)を達成し、標準的な音響特徴で学習されたベースラインモデルを上回る性能を示した。

またモデルが大きくても必ずしもパフォーマンスが向上するわけではないこともわかった。

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同社によると、音響基礎モデルをさらに微調整することで、不整脈や雑音などの異常をより正確に検出できることが示唆されているとのこと。また、この技術はAirPodsなどのデバイスに組み込むことなどが期待できる可能性があるとされている。

研究論文はこちら(1)(2)

Top Image : © Apple Inc.

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