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2022.05.02
知財ニュース
順天堂大とIBM、メタバース医療サービスの共同研究を開始―実物の医院を模した「順天堂バーチャルホスピタル」を開発・提供
順天堂大学と日本アイ・ビー・エム株式会社は、「メディカル・メタバース共同研究講座」を設置し、産学連携の取り組みを開始したことを発表した。メタバース技術の活用による時間と距離を超えた新たな医療サービスの研究・開発に取り組む。
昨今、医療業界では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、臨床現場でのオンライン診療の活用が拡がる一方で、VRやARの技術進化を受けて、臨床現場でのVR/AR活用に向けた研究が進んでいる。今後、臨床現場でのオンライン診療やVR/ARの活用に加えて、メタバースの応用が進むことが予想される中で、メタバースを使った医療サービスの構築、臨床現場における有効性の検証に取り組み、患者や家族へのよりよい医療の提供へつなげることを目指す。
主な取り組みは、短期実施テーマとしてメタバース空間で順天堂医院を模した「順天堂バーチャルホスピタル」の構築や、患者や家族が来院前にバーチャルで病院を体験できる環境を検討する。ユーザーはアバターとしてバーチャルホスピタルを訪問し、医療従事者や患者、家族などと交流できるものを目指す。また、外出が困難な入院患者が病院の外の仮想空間で家族や友人と交流できる「コミュニティ広場」を構想しているとのこと。
他にも、バーチャルホスピタルで説明が複雑な治療を疑似体験することで、治療に対する患者の理解を深め、不安や心配を軽減できるかの検証をしていく。今後の展開として、短期実施テーマに関する試作品を2022年中に発表していく予定だという。
中長期実施テーマとしては、メタバース空間での活動を通じてメンタルヘルス等の疾患の改善が図れるのかを学術的に検証していく計画としている。
研究成果をメタバースでの新たな医療サービスとして社会実装し、患者の体験向上やメンタルヘルス改善などの場面において、デジタルテクノロジーが人の温かみを届けられる世界を構築し、一人一人の健康に役立つプラットフォーム・サービスの提供を目指すとのこと。
Top Image : © 日本アイ・ビー・エム 株式会社