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2023.01.06
知財ニュース
植物を食べた虫の"糞"からできたお茶「虫秘茶」─京都大学の院生が特許出願、クラウドファンディングで販売開始

京都大学大学院農学研究科博士課程の丸岡毅氏は、植物の葉を食べた蛾の幼虫のフンからつくる「虫秘茶(ちゅうひちゃ)」の研究開発、および特許出願(2022年10月)を推進している。2022年12月24日、クラウドファンディングで「虫秘茶」の先行販売を開始した。
「虫秘茶」を開発した丸岡氏は、桜の葉を与えて育てたマイマイガのフンから良い香りがすることに気づいたとのこと。試しにお湯を注いでみると桜の香りがして、飲んでみると紅茶のように美味しかったという。丸岡氏はこれまで約40種の昆虫と約20種の植物の組み合わせで試飲・成分分析を行っており、そのなかで格別に美味しいものを「虫秘茶」と名付けた。
一説には地球上に植物は27万種、昆虫は蛾の仲間だけで16万種いると言われているが、資源としてはほとんどが未利用。丸岡氏によれば、虫と植物をかけ合わせて「虫秘茶」にすることで多種多様な味や香りを表現でき、自然の活用を模索できるという。また、「虫秘茶」には健康茶としての可能性もあり、製造に熱処理が不要なことから環境への負荷も少なく、人間社会の持続・発展にも貢献できる。
クラウドファンディングでは、2種飲み比べセットや季節の虫秘茶定期便、限定パッケージ販売、飲食店や陶芸家とのコラボで虫秘茶を楽しめるコース料理や茶会など、さまざまな返礼品を用意している。気になる方はチェックしてみてはいかがだろうか。
■ 第一弾販売商品
【サクラ×イラガ】
とても上品な桜の香りで、長く余韻が感じられる。飲み口は桜っぽく、飲み干した瞬間に杏仁のような抜け感が感じられる。明るい時間のリラックスした時間帯、アフタヌーンティーなどにお勧め。
【クリ×オオミズアオ】
5年ほど寝かせた白茶のような、枯れ草やクルミのような香り。ほうじ茶のような焙煎の香りと、武夷山烏龍のような奥深さがある。全体的に落ち着いた香りで、夜などリラックスしたいタイミングにお勧め。
Top Image : © 京都大学大学院 農学研究科