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2025.01.18

知財ニュース

スイスの研究チーム、菌類と組み合わせた暗闇で光る木材を開発

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スイス連邦材料科学研究所(Empa)は、暗闇で光る木材を開発した。

スイスの森林では、木材が直接燃やされることが多く、スイスの広葉樹をより持続的に利用するための革新的なアイデアが強く求められている。

自然界では、キノコやイカ、ホタルなどさまざまな光る生物が存在する。自然に光る木材は、約2400年前にギリシャの哲学者アリストテレスによって初めて記述されたものなのだという。

菌類と木材が織り交ぜられた構造は、生きた素材の組み合わせと言える。人工的に作られたこの種の複合材料は、さまざまな用途で興味深いものになるが、自然界では楽々と達成しているように見えることだが、これまでのところバイオテクノロジーでは困難だった。今回、研究チームは初めて、研究室でそのプロセスを誘発し、制御することに成功した。

02 empa 光るキノコ

EmpaのCellulose & Wood Materials研究所の菌類研究者で「Mushroom hunter」であるシュヴァルツェ氏が率いる研究チームは、広葉樹をベースにした新しいタイプの複合材料である光る木材のアイデアを研究している。技術分野での応用に加えて、光る木材はデザイナー家具やジュエリーに加工できる可能性があるのだという。

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木に白色腐朽菌を引き起こす菌糸で、一部の種は天然物質ルシフェリンを生成し、これが2段階の酵素プロセスで刺激されて発光する。そのため、菌糸が浸透した木材は緑色の光を発するのだという。シュヴァルツェ氏は、自然界で光るキノコを追跡し、研究室で分析してその遺伝子コードを解読したところ、ナラタケモドキが特に強力であることが判明した。

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菌類と木材の組み合わせは、3か月間培養すると最大の光度を発揮するのだという。約10時間後に輝きが完全に発揮され、560ナノメートルの波長の緑色の光を発し、約10日間持続するとのこと。研究チームは「将来的に光度をさらに高めるために、現在、実験室のパラメータを最適化しています」と述べている。

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Top Image : © スイス連邦材料 科学研究所

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