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2021.02.04

知財ニュース

メルセデスベンツ、AIを搭載した全面スクリーンのダッシュボードパネルを発表

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人工知能の研究や開発が急激に進んでいる「第3次AIブーム」の現在。AI技術は様々な分野で活かされていますが、特に自動車産業はAIの活用が活発です。衝突防止機能や自動駐車機能などのすでに導入されている事例から、自動運転技術の社会実装に向けた動きまで、日進月歩の発展を見せています。

そんな中、メルセデス・ベンツが2021年モデルの「EQS」セダンに搭載するダッシュボードとして、AIを搭載した全面スクリーンの最新タッチパネル「MBUXハイパースクリーン」を発表しました。

インフォメーションとエンターテインメントの機能を併せ持った車載システムを指すインフォテインメントシステム。AIを利用する最新のインフォテインメントシステムを搭載したパネルが、今回発表された「MBUXハイパースクリーン」です。このパネルによってこれまで以上に快適性や車両機能の操作が引き上げられます。

パネルは社内の幅いっぱいに広がっており、曲面の有機ELスクリーンで幅56インチを超えるという迫力。この大きな湾曲パネル内に複数のディスプレイがシームレスに融合しており、エアダクトまで一体化。そして内部には12個のアクチュエーターが埋め込まれ、タッチ操作に対し振動でフィードバックするそうです。

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パネルの大型化と、スクロールすることなく重要な機能にアクセスできることを指す「ゼロレイヤー」のおかげで、運転時の快適性も向上。よく使う機能をAIが学習しユーザーに合わせて7種まで絞ってメイン表示することで、運転中の操作を減らして運転に集中できるようになっています。この機能は運転席だけでなく、助手席にも。助手席専用のディスプレイも7つまでコンテンツをカスタマイズでき、運転席と助手席の乗客用に最大7人分のカスタマイズ画面を設定することができるそうです。

クルマのほとんどの機能をコントロール可能なのは当然として、「ゼロレイヤー」と呼ばれる階層構造を排したインターフェイスにより、AIがTPOに即した機能をあらかじめ呼び出し、ユーザーに提案してくれるのだ。

一例を挙げると、帰宅時いつも電話をかける相手がいる場合、平日の特定の時刻になると電話が表示され発信を提案する。あるいは、冷え込むとシートのホットストーンマッサージ機能を使用するドライバーには、一定の温度まで気温が下がるとマッサージの提案をするといった具合。こうした提案能力は学習により日々高度化していくから、さながらコンシェルジュが同乗しているかのようだ。(カービュー!より引用)

乗れば乗るほど自分にぴったりの機能を学習してくれるという、至れり尽くせりの乗り心地が実現されることがわかります。登録した人なら誰が乗っても快適に楽しむことができるので、車内で苦痛を感じやすい子どもや交通渋滞中の運転手のストレス緩和にも役立ちそうです。
そして個人へのカスタマイズの他にも、EQSの「車両リフトアップ」機能を使用したGPS位置を記憶し、そのGPS位置に近づくと自動で車高を持ち上げるいうEQSの性能の良さと合わせた提案も可能に。車好きの人にとって車は相棒と言いますが、自分とAIで一緒に乗り心地の良さを追求していく最新EQSははまさに相棒そのもの。マイカーへの愛情もさらに増していきそうです。

新型コロナウイルスの流行の影響で自動車産業は打撃を受けていますが、その一方で2020年には合宿免許が「GoToトラベル」の対象となり自動車教習所の「教習待ち」が発生するなど、コロナ禍で人との接触を減らすことができる自動車の需要が高まっているという見方もあります。実際に、トヨタとレクサスの新車を定額で楽しめるサブスクリプションサービス・KINTOでは、2020年7月〜12月の期間において19年の同期間と比較して新規申込者数は6倍以上に伸びたそうです。機能性や安全性を追求したAI搭載の自動車の登場は、自動車産業にどのような影響を与えるのでしょうか。AI活用の動向とともに、市場の活性化にも期待が高まります。

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