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2024.05.23
知財ニュース
Google、生命分子の構造と相互作用を予測できるAIモデル「AlphaFold 3」を開発
Google傘下のAI企業Google DeepMindは、Google系列の企業Isomorphic Labsと共に、生命分子の構造と相互作用を予測できるAIモデル「AlphaFold 3」を開発したと発表した。
「AlphaFold 3」は、すべての生命分子の構造と相互作用を前例のない精度で予測できるAIモデルだ。タンパク質、DNA、RNA、リガンドなどの構造とそれらがどのように相互作用するかを正確に予測することで、生物学の世界と創薬に対する理解を変えることができると期待しているのだという。
このモデルは、2020年にタンパク質構造予測において根本的な進歩を遂げた「AlphaFold 2」の基礎に基づいて構築されている。これまでに世界中で何百万人もの研究者が「AlphaFold 2」を使用して、マラリアワクチン、がん治療、酵素設計などの分野で発見を行ってきた。
「AlphaFold 3」は、タンパク質と他の分子タイプの相互作用については、既存の予測方法と比較して少なくとも50%の改善が見られ、相互作用のいくつかの重要なカテゴリーについては予測精度が2倍になったとのこと。研究ツール「AlphaFold Server」を通じて、「AlphaFold 3」の機能の大部分に無料でアクセス可能だ。
Isomorphic Labsは、「AlphaFold 3」を社内AIモデルの補完スイートと組み合わせて使用することで、社内プロジェクトおよび製薬パートナーとの医薬品設計に取り組んでいる。同社は、このモデルを使用して、以前は手の届かなかった既存の疾患を追求する新しい方法を開発することで、医薬品設計の成功を加速および向上させているとしている。
Top Image : © Google DeepMind