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2022.02.18
知財ニュース
Future Food Fundが培養肉スタートアップのインテグリカルチャーに投資―累計7.8億、フードテックの活性化へ
Future Food Fund株式会社が運営するフードイノベーション領域に特化したCVCファンド「Future Food Fund 1号」が、インテグリカルチャー株式会社に投資を行ったと発表した。
Future Food Fund株式会社は、安心・安全な農産品や加工食品、食品宅配を展開するオイシックス・ラ・大地株式会社によって設立された投資子会社だ。食・農・ヘルスケア領域に特化したスタートアップ企業への継続的な幅広い実行支援を行うことによって、新技術や新サービスをより早く実用化・事業化し、食領域のスタートアップエコシステムの構築を目指している。
今回Future Food Fundが投資したインテグリカルチャー株式会社は、独自開発の細胞培養技術「CulNet System(カルネットシステム)」を開発したスタートアップ。細胞培養において動物体内を模した環境を本システムで再現することで、細胞培養の高コスト原因であった成長因子の外部添加を不要とし、安価で効率的な培養肉生産を可能にした。
インテグリカルチャーは他にも、培養肉の副産物である細胞培養上清液を化粧品用途に応用したスキンケア化粧品原料「CELLAMENT」の開発や、CulNet Systemを活用した培養フォアグラの生産開発にも取り組んでいる。
培養フォアグラ(試作)
Future Food Fundは、今回の投資を通じて、環境負荷低減や持続可能な食として期待される細胞培養技術の進化及びマーケット創出に向けたサポートを進めるとしている。
本投資により、Future Food Fund1号の累計投資額は7.8億円、投資先は13社となった。今後もフードイノベーション領域への投資を進めると共に、新たに2号ファンドの立ち上げも視野に入れるとしている。
今回の投資で、インテグリカルチャーの累計資金調達額は約19億円となった。今回調達した資金は、個人から事業者まで幅広いユーザーが活用できる細胞農業生産プラットフォームの構築に活用し、2022年度は世界初の培養フォアグラ量産化上市のための研究開発と事業展開に注力すると報告している。
Top images : © インテグリカルチャー 株式会社